貴方しか愛せないから。【ガラテア】 (ページ12)

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『By the way ...(ところで)』

彫「？」

『You're wearing the hat I gave you(僕が贈った帽子をつけているんだね)』

彫「！ yes!(はい)」

『It suits you very well(すごく似合ってる)』

耳元で囁かれ、擽ったくてつい身をよじらせる。

そんな私を見てクスクスと笑っている彼。

私、こんなに幸せになっていいのかしら

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途中で彼は少し待ってと言い、花屋へ向かった。

可愛らしい白とピンクの1輪の花を持ち、私の元へと戻ってきた。

『Became more cute(もっと可愛くなったね)』

私が身に着けている帽子に、その花を付けた。

彫「What is this?(これは何)」

『It ’s a flower called amaryllis.(アマリリスという花だよ)』

彫「Thank you!(ありがとう)」

あまりりす…初めて聞いたお花だわ！

帰ったらあの優しいおばさんに聞いてみなきゃ。

『Where should I go?(どこに行こうか)』

車椅子を引きながら、彼は問う。

正直、こうして陽の光を浴びながら彼と話しているだけで十分幸せだ。

彫「I want to go to that store!(あのお店に行きたいわ)」

そう私が指さしたのは、綺麗なガラス細工のお店。

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お店に入ると、綺麗なBGMが流れていて。

棚にぎっしりと並べられた綺麗なガラス細工が、キラキラとしていた。

とても綺麗…

彼は少し御手洗に行ってくると私に言い、その間に店内を彷徨いていた。

とある棚で見つけたのは、氷の上で踊っている男女の飾り物。

長髪の女性と、スーツを身につけた男性が…私と彼に見えて。

暫くその商品に見とれていると、お店の店員さんがこちらに歩み寄ってきた。

店「気に入ったかい？」

彫「えぇ、とっても！でもなんだか、2人の表情が悲しげに見えるわ」

店「この作品はね、禁断の恋をしてしまった2人を想像して作ったらしいんだ」

彫「禁断の恋？」

店「そう、2人は愛し合っていたんだがね」

作品に込められた感情が、私にも伝わってきた気がした