気分屋さん日和。【木全翔也】

18話_Kinjo ページ18

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これは体感で勘で確信的なものではないけれど。


体育館へ向かう咲間さんと別れて
隣を歩く翔也に思い切って聞いてみる。





金城「なあ、なんで翔也ってそんな咲間さん見つけれんの？」

木全「見つけるって？」





きょと、と目を瞬かせる翔也。


無自覚なのだろうか。

それとも俺のただの勘違いか。




金城「だっていっつも咲間さんのことすぐ見つけてるやん」

木全「え〜？たまたますれ違ってるだけだけどな…」

金城「結構前とか廊下の端にいる咲間さん
見つけてたで。向こう気づいとらんかったけど」

木全「俺目がいいんだよ」

金城「視力普通やろ」

木全「うーん…」




小体育館に入り、
お互い室内用の靴に履き替える。


空手部は下の階、ダンス部は上の階で
練習をするので階段のあたりでいつも別れることになっていた。



翔也は何かを考えるように唸っている。





木全「…なんかねぇ。あの人見つけやすいんだよね」

金城「…そうか？別に背高いわけでもないで？」

木全「いやそうなんよ。そうなんだけど…なんだろう」

金城「……もしかして、無意識に目で追っちゃう的な？」

木全「あーそーかも？」

金城「見つけたら声をかけずにはいられない的な？」

木全「まぁ話せるなら話したいよね」






俺の予感が確信へと変わった。


真実はいつも一つ。

どこかの小学生も言っていた言葉。




突然俺に両肩を掴まれた翔也は
びっくりした顔で振り返った。





木全「え、なに」


金城「翔也。それは『恋』や」


木全「こい？」


金城「要は咲間さんに気があって、
翔也は無意識に意識してるってわけ！」


木全「無意識に意識…???」


金城「や、ごめん。それはちょっとわかりにくかったな。

でもほら、徹くんだっけ。
その子が咲間さんと話してたら嫌なんやろ？」





肩を掴まれたまま翔也が腕組みをして考え込む。



恋をしてる人間の割には赤くなったりせぇへんな、
と思って見守ってると

やがて翔也はフルフルと首を振った。






木全「そうじゃないよ」

金城「じゃぁなんで徹くんとの接触避けてんねん」

木全「あの子が咲間さんのこと好きみたいだから
俺邪魔かなって」

金城「え？あ！そういうやつ！それは盲点や！」

木全「碧海はたまに変な方向に考えるね」

金城「やかましーわ！
じゃぁ咲間さんが徹くんと恋人なってもええってこと？」







なんとなしに呟いてしまった言葉に

翔也の動きが明らかに固くなった。





…お？

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