【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* kawashiri ページ2

*






　インタビュー室にて。


　俺達は3グループに分かれて
雑誌の取材を受けることになっていた。



　俺は豆とAと同じグループに。





　「ぐぎゅるるる〜」


川尻「………」

豆原「………」

記者「……な、何も食べてない感じですか？」





　怪獣でも飼ってるのかと疑うくらい
お腹を鳴らすAはしょんぼりとしたまま頷いた。





　「パスタ炒めようと思って…でも焦がしちゃって…」

豆原「この前もなんか焦がしてましたよね。
卵でしたっけ」

　「オムレツ作ろうと思ったらスクランブルエッグになった…」

豆原「スクランブルよりもスクランブルでしたよ。
もういっそ黒い粉？みたいな」

　「豆ぇ！そこまで言わなくてもいいじゃんかっ！」




　いつも以上に辛口塩対応な豆に
餓死しそうなAは半泣きで対抗している。


　まるで上級生に泣かされる小学3年生みたい。




川尻「うーんとさ。取材だけ頑張ろ？
んで後でコンビニとかで何か買おうよ」

　「蓮くん…！いいのっ！？」

豆原「甘いなぁ蓮くん。調子乗りますよこの人」

川尻「いや俺は買わないよ？自分で買ってね」

　「……うっす」




　がっくりと肩を落としたものの、
あとで何か食べれるという希望に少しだけ
背筋が伸びていた。


　……食べ物で釣れるとはどこまでも単純。




記者「え、えーと、ではさっそくなんですが、
三人のお互いの印象などはありますか？」

川尻「んー、豆は可愛い弟って感じで。
Aはなんだろ…犬？」

　「犬じゃないでしょ。
どっちかって言うと狼でしょ！」




　どっちかも何も無いし少なくとも
狼は選択肢に入るわけがないと思う。


　ていうか自分のことを狼と
思ったことがあるのかな…。


　犬、もしくはハムスター。



記者「な、なるほどぉ。豆原さんはどうですか？」

豆原「蓮くんはパパ。Aはペット」

記者「三崎さんは人間ではないんですね…」

　「いや俺のほうがパパですよ」

豆原「ポチは黙っててください」

　「ひど…」




　バッサリと切り捨てられるA。


　不憫と思うけど礼儀正しい豆が
年上にここまで遠慮をしないのは珍しいから
なんとなく見守ってしまう。


　Aには悪いけど。





記者「で、では最後に！三崎さんから見た印象はどうでしょうか？」

　「サーモンとサンマですかね」



豆原「は？」

川尻「なんで？」



　「サーモンは豆の好物、サンマは銀っぽいから！」


　「「……」」




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