2話 ページ2
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「 にしても、どうしてナワーブだけにしか
心開いてくれないのかねぇ 」
食堂にて。
俺の腕をしっかり握っているAと
俺を見比べて、ため息まじりにデミがぼやいた。
「飲み比べしたいのに」と呟いたのが本心だろう。
「 俺だって知らん 」
「 こんな無愛想な男に懐くなんてね。
脅してるんじゃないだろう？ 」
「 あほか 」
背中に隠れていたヤツからの視線が痛い。
なんだろうと振り返れば
眉を寄せてしかめっ面をしている。
「 なに。なんで不機嫌なんだよ 」
「 …おなかすいた 」
「 あっはっは！すまないねぇ、
べつにナワーブを取ろうとかはしないさ 」
「 俺は誰のものでもねぇけど 」
デミは高らかに笑うと食堂の奥の方へ
姿を消してしまった。
よくよく見渡すと、大体の席が埋まっている。
俺はAを連れて、一番出口付近の
席に腰を落ち着かせた。
正面に座るクレスと挨拶を交わす。
「 はよ 」
「 う…お、オハヨウ… 」
「 いい加減挨拶交わすくらい慣れてくれ。
そんなに怯えなくてもいいだろ 」
「 う、うるさいな。な、慣れてないんだ、
人と挨拶交わすのが… 」
「 仕方ねぇとは思うけどよ……あ？
A、どうした 」
「 にんじん 」
「 好き嫌いすんな 」
スプーンに乗っかったニンジンが
俺の皿の中に入れられる。
これを返すのは行儀が悪いと思うので、
口だけで注意することにして、一口で食べた。
「 お、お前たちの距離感、おかしくないか？ 」
「 おかしいと思う。けど、べつにそういう関係じゃないから 」
「 なおさらおかしいだろ… 」
まるで化物を見るような目で俺達を見るクレス。
まぁ無理はないだろう。
俺だって気持ちは同じ。
ただ、慣れてしまっただけだから。
「 ん、ナワーブ。ウインナー 」
「 あ？嫌いだったか？ 」
「 んーん。ナワーブ好きでしょ 」
「 いいよお前が食えば…っておい 」
「 ふふ 」
イタズラが成功した子供のように笑うA。
俺は渋々と言った様子で好物を口に含み、
二口で飲み込んでしまった。
うん。うまい。
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Shiu(プロフ) - フルグラ、リ傭・オフェ傭推しさん» コメントありがとうこざいます！甘くするぞ！という目標で書き始めたのにすでに甘くない…！どんな終わりになるのか自分でも想像つきませんが、楽しんでいただけるようがんばります！ (2020年9月30日 21時) (
レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
フルグラ、リ傭・オフェ傭推し - わーい！ナワーブくんだっ。更新頑張って下さい(´▽｀) (2020年9月30日 19時) (レス) id: d8c098f262 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2020年9月27日 3時
