8話 ページ8
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「こうっ?!」
川尻「いやそうやなくて、フォンって感じ!」
「こうですか?!」
川尻「んんそれはぬぉんって感じやけん、
そこまで力込めんほうが…」
「ふぐぬぅ…!!」
ダンスレッスン室の隅っこの方。
さすが私立大と言えるほど設備が整ってるこの部屋は
壁が大きなガラス張りになっていた。
今日は初めてダンスサークルに参加、
ということで初心者レッスンを蓮くんにしてもらってる。
けど、これがめちゃくちゃ難しい。
イメージはできても体と音が一緒になってくれない。
蓮くんはゆるゆると、でもきっちりして、
それでハマる感じに踊れているのに。
「難しい…!」
川尻「でもAちゃんセンスある。運動神経良い?」
「まぁ悪くはないかなぁ…」
川尻「やろーね!飲み込み早いもん!」
蓮くんは細かく教えてくれていて、
でも良いところも探してくれる。
人に教えるのがすごく上手だ。
あとすっごい観察眼ある。
休憩しようと提案されたけど、
覚えれるところまでやりきりたいと伝えれば
「良い子やなぁ」と微笑んだ。
しかし、その時誰かが蓮くんの名前を呼ぶ。
こちらの方に歩いてきているのは
モデル体型でスタイル抜群の女の人。
高い位置に結んだポニーテールが揺れている。
女子「ちょっとその子に時間取りすぎとちゃう?
蓮だって練習したいやろ?」
川尻「ああ、だいじょーぶよ。
それにAちゃん覚えるの早いけん。
すぐそっちの練習混ざれるようなるよ」
女子「はあ…蓮ってほんま年下に甘いよね」
女の人はため息をつくと厳しい視線を私に向けた。
更に目を細めて強く睨むと
「川西さん一人でできひんの?」と聞かれる。
川尻「ちょっと。Aちゃん初心者なんよ?」
女子「でも覚えるの早いんやろ?
ちょっとくらい一人でどうにかしてもらわな」
「あー、そうですねぇ。できそうな気がしてきました!」
川尻「Aちゃん、」
これ以上気まずい空気になるのはしんどい。
私は睨んでくる女の人にわざと笑ってみせた。
彼女は厳しい顔つきのままで、
蓮くんは心配そうに顔を覗き込んでくる。
私は彼にもにっこり笑顔をそのまま向けた。
「だいじょぶです!
師匠の指導、めっちゃ分かりやすかったですから、
ここから先は一人でやってみます!」
優しい蓮くんは「…ほんとに?」と
目線を合わせようとしてくれるので、
私は元気よく返事をした。
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまってすいません…!最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…! (4月10日 21時) (レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは!暖かくやさしいコメントをありがとうございます…!終盤直前で停止させてしまってすいません(;-;)完結させたい気持ちはとてもあります!また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます! (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯!更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます!数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…!ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります! (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiu | 作成日時:2021年9月8日 2時