甘 す ぎ 危 険 。【佐藤景瑚】

1話 ページ1

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？「おねーさん、オススメのパンってありますか？」







平日の夕方。


バイト先の小さなパン屋さん。




焼き立てほやほやのパンをせっせと並べていると
不意に誰かに話しかけられた。





振り返ると自分よりずっと背の高い男の子。


顔の小ささはモデルさんかと疑うほどで、
けれど近場の高校の制服を着ているのに我に帰る。



…こんなスタイルのいい高校生がいていいの？







「オススメは、これかな。
今焼けたばっかりなんです」

？「ふーん。じゃぁこれにしよ」

「ありがとうございます」






トレイに乗せてレジの方に歩いていく。


私もその後を追うと、「けーごまだぁ？」の声。



振り返ると外から女子高生が顔を覗かせていた。





けーご…この男の子の名前かな。


振り返ったのは私だけで、
前を歩く彼は自分のリュックをごそごそと漁ってる。



彼女のパンを買ってあげる、とかそんなところ？


青春だなぁ。







「お買上げありがとうございました」

？「ありがとうございまーす」





モデルみたいな外見だし
話し方もどこかルーズな感じがするけど、

お礼を伝えてくれた男の子は
愛想よく笑ってくれるので良い子みたい。



その笑顔もまたモデルさんみたいに綺麗で。

…外国人のハーフとみた。





それから男の子は、外で待っていた女の子に
腕を絡められながら歩いていく。


パンを渡す気配が無いから、自分のだったのかも。









「…なんか、すっごい美形少年だったな」









男性とは無縁の人生だったので

久しぶりにあんなイケメンを見ると

免疫がないからどぎまぎしてしまう。









不思議な出会いがあるものだ。




なんて、呑気に考えていた。









＿＿しかし翌日。





1回きりだと思った不思議な出会いは


あっさりとやって来る。









？「ねぇねぇおねーさん。


他に美味しいパンってある？」









甘く柔らかい笑顔を浮かべながら。









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瀬戸(せと)A


　・パン屋でアルバイトしてる
　・大学二年生


※景瑚くんは高校生の設定です

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