第六十三訓「熱中症には気を付けろよ。塩飴舐めとけ」 ページ13
『ねぇ先生、何を見ているの?』
『んー? ……星を見てたんですよ』
『先生は星好きなの?』
『えぇ、好きですよ。キラキラ輝いてて綺麗じゃないですか?』
『綺麗だけど私は晴れの青空の方が好き。だって明るいもの』
『あぁ……そうですね。確かに君には晴れた青空が良く似合う』
そう言った髪の長い男は隣に居る少女の髪の毛を優しく撫でた。撫でられるのが好きなのかその少女は笑顔になる。
『あ! 私も先生に似合う空の色知ってるよ!!』
『へぇ、それは一体何と言う空の名前ですか?』
『えっとね、その空はね…………先生の色の、』
***
「はっ!!」
「大丈夫ですか? 結さん。しっかりしてくださいよ」
「やべぇ走馬灯みたいなもんが流れた気がする。もう俺はダメだ新八、お供え物は七色堂の金平糖でよろしく……」
「そんな冗談が言えるならまだ大丈夫ですね」
辺り一面砂、砂、砂。ババァの肌みたいな星に不時着した宇宙船は見事に壊れ、俺等含めた乗客は全員遭難してしまった。建物や人、生物も居なければ水も草も花もないのに何故か太陽は二つあるという謎の星。太陽系どうなってんだ。
「大体アンタが舵折らなきゃこんなことにはならなかったんだぞ」
「アッハッハッハ前回のことなんか忘れたぜよ! 男は前だけ見て生きてくもんろー」
「なーにすっとぼけてんだこの毛玉ァ!!」
「アッハッハッハ結だって似たようなもんじゃろ」
「俺は毛玉は毛玉でも綺麗な毛玉だから良いんだよ!!」
「あーもう暑いから騒ぐなや〜!!」
良い大人がこんな調子じゃ本当に駄目かもしれない。他の人達も意気消沈してて絶望しきった顔をしている。早く助けが来ないかと新八は願うばかりだった。
「神楽ちゃんも大丈夫? キミは元々日の光に弱いんだからね」
「大丈夫アルヨ。傘があれば平気だヨ。でも喉かわいたからちょっとあっちの川で水飲んでくるネ」
「川ってどこ!? イカンイカンイカン! その川渡ったらダメだよォォ!!」
日の光に弱い夜兎族である神楽がフラフラと水など何もない方向へ歩み始め、新八が慌てて引き止める。やはりダメだったようだ
急いで結に神楽が三途の川を渡りかけてることを知らせるが、相手も手遅れだったようで神楽を背負い別の川で水を飲ませてくると言い始め、新八は思わず結の脳天にかかと落としをした。
「あーもうダメだ! 誰も信用できねー! おしまいだァァ!!」
新八が頭抱えてそう叫んだ時だった。周りが空を見て歓喜の声をあげたのは。
第六十四訓「暑い時期の水は命の水」→←第六十二訓「三半規管弱い奴は酔い止め薬常備しとけ」
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撫子(プロフ) - 美結菜さん» 初めまして美結菜さんお返事と更新が遅くなり申し訳ございません。ありがとうございます!!少しずつの更新ですががんばります!! (2023年5月7日 18時) (レス) @page22 id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月14日 20時) (レス) @page21 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 十六夜さん» 初めまして十六夜さんお返事と更新が遅くなり申し訳ございません。夜ちゃんと寝れてるようなら何よりです。続きを楽しみにしてくださりありがとうございます! (2022年11月23日 16時) (レス) @page20 id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月4日 21時) (レス) @page20 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 遠井茜さん» 初めまして遠井茜さん。ありがとうございます!作品と共にイラストまで褒めて頂けるなんて嬉しいです!更新は遅いですが書き続けていきますのでどうかよろしくお願いします! (2021年8月9日 12時) (レス) id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:撫子 | 作成日時:2020年11月15日 18時