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命「まずは頭部の損傷、幸い骨に少しヒビが入っていた程度で脳への傷はなし。ただ出血も多く、後遺症がある可能性は十分にあると思う。それがどんな形なのかは彼女が目を覚ましてからでないとわからない。」
ら「…痛かっただろうな」
鳥「普通頭殴られて意識がある方が不思議だよ」
ら「だよな」
俺は先生達の話を相槌をうちながら聞く。
隣の成瀬もじーっとモニターを見つめたまま。
ミンドリーは帰って報告もあるからメモをとりながら。
命「それから体の外傷、至る所に打撲跡、腕は右手骨折。本当にこの体で動いてたのが不思議なくらい。お嬢さんが少しの傷で済んだのはきっと彼女が体を張って守ったんだね。」
ら「シェリーはかすり傷だけ?」
ま「うん。頬と足に少し。それから手首、たぶん縛られてたんだと思うよ。それより彼女は心のケアの方が重要かもね」
ら「了解」
命田さんが写真を指差す。
命「あとここ、腹部の傷。聞いた話によれば誰かが先に治療してくれてたんだけど、誰かはわかる?」
ら「いや、俺たちは」
成「シェリーいわく、名前はわからないって」
命「なるほど、少々荒い手当ではあったけど、それがなければここからの出血が原因で、死んでいたかもしれない。だから感謝すべきではあるんだが…」
ら「指紋とか、あればな」
成「…あ」
ふいに成瀬が思い出したように
ポケットを探る。出したのはスマホだった。
成「シェリーがその人から受け取ったって言ってたから、ワンチャン指紋残ってるかも!」
ら「帰ったら調べよう」
命「わかったらこちらにも教えて欲しい。医療従事者として知っておきたい。」
ら「わかりました」
写真の傷をなぞりながらぽつりと先生が言葉をこぼす。
命「ここは、傷跡、残るだろうな…」
鳥「ほんとに生きてるのが不思議なくらいなんだよ」
ら「先生たちのおかげです、ありがとうございます」
命「簡単ではあるが以上が今の彼女の容態です。あとは意識が戻るのを待つ、だけ」
鳥「明日の様子次第では、病室にも入れると思うから」
ら「はい」
命「ひとまず、君たちもしっかり休みなさい、彼女にはうちのものを交代でつけとくから。ね?」
ら「はい、宜しくお願いします…!」
ひとまず説明をうけて部屋をでる。
成瀬はこのまま病院で休むことになった。
それがいい、少しでもそばにいたいだろうから。
本当は俺も、と言いたいところだが
やらなきゃいけないことが、残ってる。
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せぶみ(プロフ) - pompomさん» コメントありがとうございます!いつか終わりがきます、どうかその時がくるまで楽しんでいただけるよう頑張って書きますね! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
せぶみ(プロフ) - tama5さん» 暖かいコメントありがとうございます( ;ᯅ; )今後主人公がどうなっていくのか、どうぞ見守っていただけると嬉しいです! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
せぶみ(プロフ) - 桜さん» たくさんコメントありがとうございます!trnさんとの話はいつか書きたい!と思っていたのでちょい出しできてよかったですし、これから更に出てきますよー(`・ω・´)お楽しみに!! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
pompom(プロフ) - 更新が本当に楽しみなぐらい引き込まれる作品で何度も読み返してはワクワクドキドキしてます。終わらずずっと続けて欲しいぐらいです。ゆっくり無理せず更新頑張ってください! (5月1日 0時) (レス) @page37 id: 89147db5d4 (このIDを非表示/違反報告)
tama5(プロフ) - 占ツクでこんなにも涙した小説は貴女が初めてです、、素敵な作品に出会わせてくれてありがとう。どうか無理はせず自分のペースで綴ってください。次の更新を心よりお待ちしてます。 (4月27日 21時) (レス) id: fbbcfa8be4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せぶみ | 作成日時:2024年3月22日 10時