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拝啓 死にたがりな少年へ ページ4

 拝啓 死にたがりな少年へ










五条 視点


五条
「 ___ これは何かな? 」


五条
「 乙骨憂太くん。 」


乙骨
「 …ナイフ…だったものです。 」


 Aが電話で出て行ったその後、

 僕は憂太の足元に落ちていた変形したナニカを拾った。


乙骨
「 死のうとしました。 」


乙骨
「 でも " 里香 " ちゃんに邪魔されました。 」


五条
「 暗いね。
 今日から新しい学校だよ? 」


乙骨
「 行きません、もう誰も傷つけたくありません。
 だから、もう外には出ません。 」


五条
「 …でも、一人は寂しいよ。 」


乙骨
「 … 」


五条
「 君にかかった呪いは使い方次第で人を助けることもできる。 」


五条
「 力の使い方を学びなさい。 」










 A 視点



 ___ 記録


 二〇一六年 十一月 東京

 同級生による執拗な嫌がらせが原因となり
 首謀者含む四名男子生徒が重傷を負う



A
「 …壮絶だな、 」


 高専資料室にて、乙骨くんが起こした事件の記録を見ていた。

 
A
( これは乙骨くんが酷い、というより、
 憑いている呪霊が殺った…みたいだね。 )


A
( …乙骨くんには制御できない、ってか…。 )



「 A、 」


A
「 !…五条先生、なんですか。 」


五条
「 憂太の初登校だよ、Aも来る?
 どーせ、二年生一人なんだから暇でしょ。 」


A
「 …決めつけないで下さいよ…。
 ま、行きます。 」


五条
「 じゃ、一年の教室で待ってるね〜! 」


 そう言って、五条先生は音を立てずにどこかに消えた。


A
「 え、ちょ、、…はぁ…、、 」


A
( …学生振り回して楽しいかよ…。 )


 昔、誕生日にもらった腕時計は八時三十分を指していた。


 一年生の教室に入ると乙骨くんを他の高専一年生、
 禪院(ぜんいん)真希(まき)狗巻(いぬまき)(とげ)、パンダが囲んでいた。
 
 少し離れた所では五条先生が壁にもたれている。


A
( 里香の呪力に反応した、ってことか。
 …っていうか五条先生説明してないのかよ…。 )


五条
「 あっ、早く離れた方がいいよ。 」


禪院、狗巻、パンダ
「 ? 」


A
「 … 」


 一応、いつでも攻撃できるように持ってきていた刀に手をかける。


 その瞬間、ズルルという音と共に乙骨くんの後ろ ___


 黒板から人の顔サイズの大きさの手が日本出てきて、
 真希の呪具を押さえた。

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年3月25日 20時

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