【募集企画】神々の住む世界・壱【小説】 (ページ47)

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また明日・空咲小鳥side ページ47

「…あれ?」

人間界のお祭りの日。
そこで僕が見つけたのは、小さな猫。
けれど、全然動く様子はなかった。

近づいても、ぴくりとも動かない。
それに、体は砂や泥で汚れていた。

けれど、寝ているのかな、と思ってその小さな体に触れた。
すると。

「え、嘘…冷たい…?」

その体は冷えきっていた。
それはすなわち、生きていないことを指す。

「酷いや…僕のイタズラより、ずっと。
……大丈夫だよ、ちゃんと弔ってやるからね」

僕は猫を抱き抱えて近くの砂がある場所に走った。

「……ここなら」

僕が見つけたのは、町外れにあるボロ屋。

その家の近くに、猫を埋めてやる。

その時。

中から、鎌を持った男の子…といっても、同い年くらいなんだけど、男の子が出てきた。

「……え?」

「何して……。
……っ、あ、ボクと目を合わせちゃダメだよ」

そう言って、目を逸らされる。

「な、何してたの?」

「え、僕?
僕は猫を埋めに…」

そこまで言って、気づいた。

子供の容姿、荒れた長い黒髪。
何より、その死神のような鎌は……。

「君、もしかして無所属の……!」

死神と噂される那呪浬くん。

けれど、会ってみるとそこまで悪そうな子じゃない…よね?

「…そ、そうだね、那呪浬はボクだよ！」

明るい様子の那呪浬くん。

こういう神様って、しかも死神って珍しい…！

友達に、なりたい。気がする。

「ねえ、また今度も会おう!?遊ぼうよ!」

「……はい?」

「人間の子供がしてた!
次も遊ぶ時って、遊ぶ約束をするんだよ!」

那呪浬くんがぽかんとしてるのもそっちのけで話を進める。

「また明日、この場所で遊ぼう!」

じゃあね、と言って帰る。

結局那呪浬くんは目を合わせてくれなかったけど、最後に少しだけ明るい笑顔を見せてくれたことを、

僕は知っている。