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「姫様〜!!!どこにおられるんですか!姫様〜!」
広大な敷地の庭園に響き渡った声に
ビクッと肩が揺れた。
(こんな所まで追ってくるなんて、、、
どうせいつも捕まえられないのだから早く諦めてくれないかしら、)
綺麗に着飾られた洋服の裾を床に引きずりながら
見つからないように静かに歩いた
私はこのヴィストリア帝国の第1皇女に当たる
A・エーベルト・ヴィストリア。
生まれ落ちたその日から、
国のために国民のために日々色々な訓練を受けている。
足の先から頭の先までピンと糸を張ったように
堂々と振る舞いなさい、
国の顔として恥じない皇女になりなさい。
そう教えこまれてきた。
けれどその日常は私にとって退屈で仕方なかった。
常に誰かに見張られていて
私の言葉一つで人の命さえも奪えてしまうような
そんな産まれ持った力に恐怖さえ覚えるほどに。
そしてその日常を少しでも忘れさせてくれるのが
この時間だったりする
「あ、やっときた」
彼の前だけ私は本当の私でいられるの。
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作者名:ヨル | 作成日時:2021年2月9日 2時