End of Line 2 【登坂広臣】 (ページ25)

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Aのおばあちゃんはすごく優しくて
Aが暖かい人柄な事に、納得した

話していたとき、

ふと席を立ったAを目で追う

「 … 幸子達に、声掛けにいぐんでねぇがなぁ(行くんじゃないかな)」

「幸子さん、ですか？」

「 Aちゃんのお母さんとお父さんと弟よ」

ここにいた時も

毎日お仏壇に手を合わせて、色んな報告をしていたんだよ、と。

こっそり聞いておいで？

そう背中を押されて、仏間を少し覗いた

『 … お父さん、おみくんすごく素敵な人なんだよ
付き合っていないけど、

おみくんは
みんなに自慢したかったなぁ』

『お母さん、声、出るようになったよ…？
常連さんたちが助けてくれたんだ

おっきいな会社だけど、みんな暖かいよ』

『シュウ、… ごめんね、、ッ

まだ泣き虫のまんまだ… 』

小さなからだを
もっと小さく縮めて体育座りしていた

お父さんお母さんシュウさん

俺なんかじゃ

想像も出来ないほど大切な存在で。

会社、仕事、プレッシャー、カレシ

押し潰されそうな生活をしてるなかで
心の支えだった家族が、自分のライブに来るための道中で事故死

きっと声は心因性のストレスによるものじゃねぇかなぁ…

出なくなった途端に、会社は冷たく当たって
あやつり人形、話せない気持ちが悪い子、口パク。

散々な言われようだったって聞いた。

誰か

誰か一人でも Aを助けてやれなかったのか

悔やんでも自分にはどうしようもできなかったことだって、そんなことは分かってる

それでも、

こんなになるまで追い詰めた

その環境が憎い

『 … おみくんのこと

__________ 幸せに、できるかな』

「っ、?! 」

良きしない言葉に

声を出しそうになって、口元を押さえた

いや、、

なにそれ、

俺なんかよりだいぶ男前なセリフ

女子が最近言ってる
きゅんですってコレのこと？

『おみくんに、好きな子ができて

彼女になって

… 結婚しても

ずっとありがとうって伝えてくんだ～』

さっきより明るくなった声

行かないように
邪魔しないようにって抑えてたはずなのに、

我慢出来なくなって

「 A以外に、

好きな人なんてできないよ」

『っ!? 』

「 Aが好き」

真ん丸にしてた目から

一粒

涙が零れた

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