125話 ページ25
店員さんからの丁寧すぎるほどの「ありがとうございました！」を受けながらお店から出ると、ゾムはすぐ近くの靴屋さんに入った。
かかとの高い靴から歩きやすそうな靴まで、沢山の種類の靴が天井いっぱいまで積まれているそのお店は、お城の図書室の靴バージョンみたいだ。
ドレスのお店とは違い、店員さんひとりが店の奥から出てきて、深めのお辞儀をする。
お爺ちゃんという言葉がふさわしいその店員さんは、柔らかな笑みを浮かべながら口を開いた。
「いらっしゃい。ゾム君と、コネシマ君。それに、Aちゃん、だったかな？」
zm「おー。黒いドレスに合うヒールある？」
「……座ってなさい。」
お爺ちゃんはそう言って、店の奥に入っていってしまった。
人間の姿になって靴を見ているシッマに近づくと、彼はこっちを見ずに話しかけてきた。
kn「知ってる？あの人、ロボロの弟。」
『弟！？』
kn「ロボロは80年前くらいから不老不死やからな。まだ弟が生きてんねん。」
『そうなんだ…。』
言われてみれば、あの老人の声質や話し方などはロボロに似ている。
ただ、彼の瞳はこげ茶という感じで、ロボロと同じようなショッキングピンクではなかった。
シッマに習って壁一面に積み上げられた靴やその箱を眺めていると、店の奥からロボロの弟さんが出てきた。
「これはどうだろうか。」
そう言って私の目の前に差し出された靴は、今まで見たことがないようなデザインだった。
一見黒のシンプルなピンヒールに見えるが、よく見ると靴じゅうに深緑色の蔓が巻きついている。
まるで森に10年間放置されたピンヒール、というかんじだ。
ゆっくりと足を滑り込ませると、まるで私専用に作られたものかのようにぴったりと収まった。
試しに歩いてみると、なんだか体が軽くなったような感覚がして、むしろいつもよりも歩きやすい。
『すごい！履きやすい！』
「…よかった。」
ロボロの弟さんはにっこりと笑って、紙に何かを走り書きし、ゾムにそれを渡した。
それを受け取ったゾムはお金を払って、ロボロの弟さんの背中を優しく叩いた。
zm「ありがとうな、さすがや。」
「兄は、元気か？」
kn「元気やで。ぴんぴんしてる。今度城に遊びにきてな。」
「店が落ち着いたら、行かせてもらうよ。お嬢ちゃん、」
『はい！』
「舞踏会頑張るんやで。」
幹部のみんなと似たイントネーションでそう言うと、ロボロの弟さんは店の奥に引っ込んでしまった。
なんとなく、懐かしい気持ちがした。
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風太(プロフ) - ダリア太郎さん» わわわ待っていてくれてありがとうございます、、、作者多忙でしてひと段落着いたらまた更新するかと思われるので気長に待っていて貰えればと思います(´∩ω∩｀) (2020年6月22日 23時) (
レス) id: 1ce02552d8 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア太郎 - 更新しないんですか（ ｉ _ ｉ ） (2020年6月22日 22時) (レス) id: db84d391e7 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ぱんさん» どうぞ！！！（輸血パック） (2019年9月4日 7時) (レス) id: 68876f6c16 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん - 何してくれるんだ！鼻血がとまんねーよ！ (2019年7月24日 20時) (レス) id: afe6fa3e2d (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - あっぷるさん» コメントありがとうございます！！！更新頑張ります！！！ (2019年4月7日 9時) (レス) id: 4133c0f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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