123話 ページ23
振り返ると、もう馬車は見えなくなりそうなくらい遠ざかっていた。
ゾムに手を引かれながら、高級そうなお店に入る。
ショーウィンドウには真っ白なウェディングドレスが飾ってあった。
「「「いらっしゃいませ。」」」
店員さんが3人、まるでせーのと言ったかのように揃った礼をした。
感心しながらぺこりと礼を返すと、店員さんのうちの1人が前に進み出てきて、再びお辞儀をした。
その店員さんは、クリーム色の髪をふわふわとしたボブカットにしていて、制服の着こなしなどから品の良さが伝わってくる。
「はじめまして。本日はAさんが、より一層綺麗になれますように、全員でサポートしていこうと思います。私は担当のライラです。」
ライラと名乗った店員さんは、こちらへどうぞ、と言って、私の背中を優しく押した。
振り返ってゾムの方を見たが、彼は別の店員さんに話しかけられていて、私の方を見てはくれなかった。
la「ドレスのご希望はございますか？色、デザインなど。」
『あの、黒が、いいです。』
la「黒色のものをご希望ですか？」
ライラは私が頷いたのを確認し、にっこりと笑って店の裏に入っていった。
かと思うと、彼女はすぐに何着もの黒いドレスを持って出てきた。
彼女に誘導されて試着室の中に入る。
試着室はとても広くて、ここで生活できそうなくらいだ。
la「Aさん、1日で幹部になられたんですってね！街でも噂になってました。」
ライラは、慣れた手つきで私にドレスを着せながら言った。
すると突然、彼女の動きが止まった。
la「……ぁ、この傷、戦争で？」
『あ、いや、元からです。』
私がそう答えると、彼女は申し訳なさそうに俯いた。
確かに、この傷たちをどう隠すかなんて考えてもなかった。
仮に隠さずにいれば、国のイメージは悪くなってしまうことだろう。
『どうすれば、誰にも見られずに済みますか？』
la「そうですね…ヴェールを羽織るのはどうでしょう。」
すると、彼女は試着室から出た。
間も無く、手に黒いヴェールを持って帰ってきた。
確かに、これを肩に羽織っていたら傷も目立ちにくいだろう。
ドレスは胸が大きく開いていて、全体的にタイトだった。
比較的スリムなロングスカートはバッサリと太ももの上まで切れていて、チャイナドレスみたいだ。
歩く度に右足だけ外気に触れ、太もものガーターベルトがちらつく。
ヴェールを羽織れば、比較的傷のない胸元を残し、大胆に空いた傷だらけの背中も隠れる。
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風太(プロフ) - ダリア太郎さん» わわわ待っていてくれてありがとうございます、、、作者多忙でしてひと段落着いたらまた更新するかと思われるので気長に待っていて貰えればと思います(´∩ω∩｀) (2020年6月22日 23時) (
レス) id: 1ce02552d8 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア太郎 - 更新しないんですか（ ｉ _ ｉ ） (2020年6月22日 22時) (レス) id: db84d391e7 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ぱんさん» どうぞ！！！（輸血パック） (2019年9月4日 7時) (レス) id: 68876f6c16 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん - 何してくれるんだ！鼻血がとまんねーよ！ (2019年7月24日 20時) (レス) id: afe6fa3e2d (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - あっぷるさん» コメントありがとうございます！！！更新頑張ります！！！ (2019年4月7日 9時) (レス) id: 4133c0f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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