100話 ページ50
『ゾム、もう寝なよ。』
zm「寝るわけないやろ〜！！」
『みんな寝ちゃってるよ？』
ゾムはごにょごにょと何かを言いながら、私にもたれかかってきた。
きっと全体重がかかっている。
もうほっといて寝たい。
かといって彼をこのままにしておくわけにもいかないだろう。
トントンさんですらも見捨ててしまったこのゾムを。
『ゾム、早く寝ようよ。』
zm「ん……寝よか。」
ゾムは私にもたれかかるのをやめ、ふんにゃりと笑った。
顔はすこし赤くなっていて、相当酔いが回っているのがすぐにわかる。
呑気にそんな事を考えていると、ゾムがひょいっと私を持ち上げて、小脇に抱えた。
女子を運ぶ持ち方としてはだいぶ雑なように思える。
zm「ねよかぁ〜！」
『おろしてよ、』
zm「ねよかぁ〜！！！」
同じことを何度も言いながら、ゾムと彼に抱えられた私は食堂から出た。
兵士達の食堂には何人かの酔いつぶれた兵士が突っ伏して寝ている以外は、誰も残っていなかった。
兵士達の食堂を抜けて私たちの部屋がある練まで、ゾムは私を抱えながらふらふらと歩いた。
躓いて転んでしまうのではないかとヒヤヒヤしたが、運動神経がいいからか転ぶことはなかった。
『ゾム、おろしてよ〜。』
zm「聞こえへんわ〜。」
ゾムは私の部屋の前を通り過ぎて、自分の部屋に向かっていった。
じたばたと暴れてみるも、がっしりとホールドされているために少しでも体制を変えると息苦しくなる。
されるがままにゾムの部屋の中運ばれると、私はベッドの上に放り投げられた。
女の子の扱い方を勉強したほうがいいんじゃないだろうか。
『ゾム、私もう帰、りゅ、、』
zm「ほんまかわええな。」
彼は私の両ほっぺたを引っ張って、にこにこと笑いながら遊びだした。
この人は絶対にお酒を飲ませちゃいけないタイプの人なんだろう。
『何言ってるの、ほぼ同じ顔だよ。』
zm「パーツがちゃうやろ〜？目も、鼻も、口も、ちがうやろ？」
ちゅっという軽い響きと共に、一瞬だけ唇が重ねられた。
予想外の展開に挙動不審になる私をよそに、ゾムは部屋の電気を消してしまった。
カーテンの隙間から差し込む月明かりが、昨日のグルッペンさんのピアノを思い出させる。
そんなことを考えていると、フルートを食堂に忘れてきたことに気がついた。
暗闇の中ベッドから出ようとすると、強い力が私をベッドに戻してしまった。
かと思いきや、次の瞬間にはその力の主は私を強く抱きしめながら寝息を立てはじめた。
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Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (
レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» どういたしましてです！私の貧弱な語彙で理解していただけてとてもうれしいです！小説是非読ませていただきますね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
ネコミミ七つ - ありがとうございます。バッチリ理解できました。 あ、あと私ネコの大罪という名前で小説を書いてるんでよかったらみてくださ((殴 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» ですが、この作品ではメンバーが死に至るという表現をする予定がありませんので、不老不死だという認識を持っていただければと思います。曖昧な設定で申し訳ないです、、。今後とも本作品をよろしくお願いいたします。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
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