94話 ページ44
『私にできることなら、、』
gr「そうだな、そうだよな。」
グルッペンさんは、なかなか話を切り出す勇気が出ないのか、どこか一点をじっと見つめながら何かを考えている。
gr「話が長くなるかもしれないが、いいか？」
『はい、大丈夫ですよ。』
gr「ありがとう。なるべく簡潔にまとめたいのだがどうしてもそれが苦手でな。」
ふんにゃりとした笑顔を見せて、グルッペンさんは話し出した。
昨日から今までの短い間で、グルッペンさんの私に対する表情がだいぶ増えたような気がする。
gr「今度舞踏会があってな。舞踏会なんて出たくないのだが、やはりほぼこの国の王の様な立ち位置である以上、俺が出なければならないらしくてな。」
『舞踏会…？』
gr「そうだ。いつもならダンスが苦手だからうまく踊らないようにするんだが、今回は少し異例でな。舞踏会の曲を半分くらい俺がピアノで演奏することになってしまったんだ。」
『すごいじゃないですか！』
gr「そこで問題が二つくらいあってな？」
グルッペンさんが、「二つ」を強調するようにびしっとピースをしてみせた。
その顔は真剣なのだが、少しおかしくて笑ってしまいそうになる。
gr「まず一つ目は、舞踏会には男女ペアで行かなくてはならないこと。で、二つ目は、ピアノだけでは賄えないから他の楽器が必要なんだ。つまり…一緒に舞踏会に参加しないか？」
『はい！？』
急な展開に驚きを隠せなかった。
そもそも「舞踏会」なんていう単語は今初めて聞いたから想像もつかないし、ダンスも踊ったことがない。
しかもグルッペンさんの隣に、ついこの間まで森で火薬を食べて暮らしていた女が並ぶことなんて許されるのだろうか。
グルッペンさんはなんとなくNOとは言えないオーラを出しているが、NOと言わざるを得ないのではないか。
『参加したい気持ちは山々です。でも、ダンスだって踊ったことありませんし、グルッペンさんの隣に立っていいような立場でもないので…。』
gr「お願いだ！もうロボロには迷惑をかけたくないんだ！」
『え、ロボロさんに？』
グルッペンさんが早口で言ったことをまとめると、どうやらロボロさんはグルッペンさんよりも華奢な為、今までずっとドレスを着て女性のフリをして舞踏会に参加していたらしい。
本来ならグルッペンさんくらいにもなれば許嫁でも居るべきなのだろうが、何しろ不老不死の体での結婚は難しいのだろう。
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Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (
レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» どういたしましてです！私の貧弱な語彙で理解していただけてとてもうれしいです！小説是非読ませていただきますね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
ネコミミ七つ - ありがとうございます。バッチリ理解できました。 あ、あと私ネコの大罪という名前で小説を書いてるんでよかったらみてくださ((殴 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» ですが、この作品ではメンバーが死に至るという表現をする予定がありませんので、不老不死だという認識を持っていただければと思います。曖昧な設定で申し訳ないです、、。今後とも本作品をよろしくお願いいたします。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
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