75話 ページ25
『よろしくね。』
その花は、私が話しかけると少しだけ光ったような気がした。
ゾムはそれをじっと見ていたが、切り替えるように一回だけ手を叩いた。
zm「さぁ、森に行きたいんやろ？」
『行きたい！』
zm「門番とかに見つかるとめんどくさいから秘密の抜け道から行こうな。」
『森に繋がってる秘密の抜け道まであるの？』
zm「おいで。」
ゾムに続いて中庭を進んでいくと、彼は急に立ち止まって地面を掘り始めた。
すると、地面から土で汚れてしまっている木製の鍵が出てきた。
木製の鍵なのに土に埋めておいても大丈夫なのが気になるが、そんな事を聞く間も無くゾムがまた歩き出した。
zm「ここが抜け道やで。」
『え？ここ、ってどこ？』
ゾムが立ち止まったのは周りの木と何の変わりもない木の前。
一見、秘密の抜け道なんてものは見当たらない。
疑問に思っていると、ゾムが木に鍵を差し込んだ。
どうやら、この木には鍵穴があるらしかった。
その鍵が飲み込まれるように木の内側に入り込んだかと思うと、木の側面にぽっかりと大きな穴が空いた。
それは人が一人通れるくらいの大きさはある。
zm「怖い？」
『大丈夫だよ。』
zm「暗いやん。怖いやろ？」
『怖くないよ。』
ゾムは、何故か私に怖いと言わせたいみたいだ。
正直なところどこに怖い要素があるのかはわからないが、ここで見栄を張り続けても拉致があかないと思う。
『やっぱり怖い。』
zm「やんな？怖いやんな？？？」
『うんすごい怖い。』
zm「手ぇ繋ごうや！」
嬉しそうに差し出されたゾムの手を握ると、彼は穴の中に向かって歩き出した。
入り口は狭かったが、中は二人が横に並んで歩ける程の道幅があった。
すぐ後ろで穴が閉じ、あたりは闇に包まれた。
いくらなんでも視界が悪すぎる。
それなのにゾムはすたすたと歩いている。
幸い、手を繋いでいたし足場もそこまで悪くはなかったため遅れを取ることなくついていくことができた。
しばらく進むと、ぴゅうっと隙間風が吹いてきたのを感じた。
密閉されたこの空間の中で風が吹くということは出口が近いということかもしれない。
ゾムが私と繋いでいない方の手を前に突き出して歩いていると、急にどんっと壁に手がついた音がした。
どうやら目的地に着いたみたいだ。
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Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (
レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» どういたしましてです！私の貧弱な語彙で理解していただけてとてもうれしいです！小説是非読ませていただきますね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
ネコミミ七つ - ありがとうございます。バッチリ理解できました。 あ、あと私ネコの大罪という名前で小説を書いてるんでよかったらみてくださ((殴 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» ですが、この作品ではメンバーが死に至るという表現をする予定がありませんので、不老不死だという認識を持っていただければと思います。曖昧な設定で申し訳ないです、、。今後とも本作品をよろしくお願いいたします。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
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