65話 ページ15
せっかくあとゾムとキスするだけで不老になれると思ったのに、これじゃあただ恥ずかしい思いをしただけだ。
訓練場に行けば、きっとショッピ君に会ってしまうことになるだろう。
それはなんだか恥ずかしい。
『はぁー、どうしよ。』
tn「はぇ？どうしたん？訓練しに行かんの？」
急にトントンさんが真っ白な翼で空を切りながら、私の目の前に降り立った。
手にはエンチャント済みの弓が握られている。
『あ、トントンさん、は、だめだな。』
トントンさんは純粋というか真面目というか、キスには疎そうだし、何より感がいい。
キスの相手には向いていないと思う。
tn「え！？ちょ、何が！？」
『いや、なんでもないです。』
トントンは弓を右手で弄びながら不思議そうに首を傾げた。
tn「まぁいいや。訓練行かんの？」
『こ、これから行く予定です。』
tn「あ、お迎えが来たみたいやな。じゃあ、また夕飯の時に会おうな。」
トントンさんはけらけらと笑ってからまた飛んで行ってしまった。
お迎えというのがよくわからないが、廊下の真ん中で一人で道草を食うのにも限界がある。
そろそろ訓練場に向かうべきだろう。
zm「遅いで、何してたん。」
抑揚のないきっぱりとした声が上から聞こえたかと思うと、天井からゾムが降って来た。
『あ、ごめんなさい。』
zm「遅すぎやない？だって大先生とっくに訓練場出てるで。何話したん？」
『別に大したことじゃないよ。』
そう言えば、ゾムの顔はわかりやすく曇った。
きっと私の言っていることを疑っているのだろう。
zm「反抗的やな。」
『そんなんじゃなくて、本当に大したことじゃないの。』
ゾムはさらにむっとした。
前髪を乱雑にバサバサと触っていて、相当苛立っているようだった。
zm「だったら大先生あんな事にならんわ。」
『あんなこと？』
zm「訓練場に来てから様子がおかしいねん。ずっとニヤニヤしてるし、集中してへんもん。」
あんなスマートに終わらせていた大先生も、心の中では緊張していたのかもしれないと思うとすこし安心する。
『本当に何でもないよ。』
zm「……Aから、大先生の匂いがする。あと、ショッピ君の匂いも。」
『……っ！』
ゾムは、すんすんと鼻を動かしてから顔をしかめた。
zm「ショッピ君も、嬉しそうやった。」
『…そう、なんだ。』
ゾムの目には、うっすらと涙さえ浮かんでいる。
このままだと冷戦状態になりかねない。
私はゾムの肩を掴み、素早く唇を重ねた。
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Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (
レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
Rionn(プロフ) - この小説すっごく面白いです！こんな面白い書類を作っていただきありがとうございます！ (2020年3月12日 11時) (レス) id: 468eefd495 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» どういたしましてです！私の貧弱な語彙で理解していただけてとてもうれしいです！小説是非読ませていただきますね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
ネコミミ七つ - ありがとうございます。バッチリ理解できました。 あ、あと私ネコの大罪という名前で小説を書いてるんでよかったらみてくださ((殴 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - ネコミミ七つさん» ですが、この作品ではメンバーが死に至るという表現をする予定がありませんので、不老不死だという認識を持っていただければと思います。曖昧な設定で申し訳ないです、、。今後とも本作品をよろしくお願いいたします。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: 7df3c67554 (このIDを非表示/違反報告)
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