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異能力 ページ9

異能力を使ってアンを呼び出そうとしたら、それよりも僅かに早く誰かが何かを唱えた。

ううん、誰が何を云ったか何て判りきってた。


辺りが眩しい光に包まる。

「何で・・・・・・?」

声がしてあたしは恐る恐る目を開ける。

思った通り、目の前に居て声を発していたのは人形を抱き締めた彼女だった。

彼女は怯えたように人形を抱き締めている。

辺りを見回すと、其処は倉庫の様な処だった。

目の前に大きな扉が一つ、他には灯り取りの窓すらない。

上には蛍光灯が一つだけ。

でも不思議とそんなに暗くなかった。

壁は一面本棚で埋まっている。

天井に届くほど高い本棚で。

それでも本棚が足りず、床に堆く積み上げられている。

中央には机と椅子が一つ。

彼女はその前で立っていた。

云いたいことや聞きたいことは沢山ある。

でも、先ず最初に出てきたのは気が抜けるような台詞だった。

「やっと貴女、言葉らしい事喋ったわね」

そういうと、初めて彼女の瞳に感情が映った。

それは驚き。

まぁ、いきなり自分の空間に人が居たら驚くわよね。

「何で日本語話せるの・・・・・・?」

「え?」


あたしが想像した理由と違った理由で彼女は驚いていた。

でも、

「貴女が英語を話しているんじゃないの?」

「私は英語が判らない。

だから皆が何を云っているのか判らなかった」

こてん、と可愛らしく首をかしげ彼女は云う。

「だから先刻の少年の言葉にも反応を示さなかったの?」

そういうと彼女はコクりと頷く。

だから彼女はあたしが何を云っても反応を示さなかったんだ。

ひねくれて考えていたあたしを叱りたい。

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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

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