整理 ページ41
「一寸整理させて。
沙羅、貴女は人間よね?」
モンゴメリは一旦落ち着いて深呼吸をすると沙羅に訊ねる。
「・・・・・・もしかして、云ってなかったのかな。
私は人間じゃなくて、その、異能生命体、です」
段々と声が小さくなり、俯きがちになる。
「・・・・・・
聞いてないわよ、それ。
貴方達は知ってたの?」
モンゴメリはトウェインの方を向く。
「うん。
組合に入ったとき、身の上話とか各々話させられただろ?
その時に普通に。
君に云わないでとかそういったことは云わなかったから知ってるもんだと思ってたよ」
「あー、えっとそのー。
・・・・・・ご免なさい」
気まずそうに目をそらしたまま沙羅は謝る。
「何で探偵社の方は知っていらっしゃるの?」
モンゴメリは沙羅を見ずに今度は太宰に訊ねる。
「彼女が私に触れられる事を頑なに拒否するからカマ掛けただけだよ」
そしたら予想通りだったってだけさ、と呟いて太宰は席を立つ。
「却説、敦くん、鏡花ちゃん。
今日はもう社に戻ろうか」
修羅場になる気配を感じ取った太宰は後輩二人に声を掛け、帰る。
何と無く帰った方が良いなと察した二人も勘定をしてこっそりと帰った。
「じゃあ、僕も・・・」
「貴方は駄目」
逃げようと立ち上がったトウェインの襟首をモンゴメリは掴み、止めさせる。
モンゴメリは二人の前に座る。
トウェインと沙羅は小さく縮こまる。
「で、説明して下さらない?」
「怒らない?」
ちらりと視線をあげて沙羅が訊ねる。
「安心して、沙羅。
もうとっくに怒ってるから」
にこりと静かに微笑んだモンゴメリを見て二人はごくりと唾を飲む。
「最初に逢ったときに、色々あったでしょ?
その時にもう説明したと勘違いしちゃったの」
「僕が居る意味ある?」
「貴女が異能生命体なら主は何処?
何の命令であたしと居るの?」
トウェインの呟きを無視してモンゴメリは質問を重ねる。
「わたしの主はわたしが来る少し前まで孤児院に居た先生よ。
この子と同じ様に金髪に青い瞳の」
沙羅は人形を見えるように机に置く。
「・・・・・・ああ、カルステッド先生ね」
暫く思い出すように考えていたモンゴメリはポツリと呟く。
「でも先生は死んじゃったんでしょ?
主が死んだのに生命体は活動できるの?」
「主が死ぬ前にわたしを作ったの。
ごく稀に主が死んだ後も発動し続ける異能があるけど、それがわたしよ。
只、消えたら主が居ないから他の生命体の様に復活する事は出来ないわ」
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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月19日 21時