洗い物 ページ5
孤児院の子供達の朝は早い。
毎朝、鐘の音と共に起床して身支度を整え、礼拝堂に集まる。
そして院長先生達と一緒に朝のお祈り。
その後朝食を食べ、掃除。
掃除が終わったらまた集まって勉強をする。
この孤児院は山奥に在るため、學校は無い。
だから孤児院の先生が教えてくれる。
勉強が終わったら昼食を食べて、あとは自由。
でもあたしは違う。
皆よりも早く起きて、昨日の内に出来なかった仕事をしなくちゃいけない。
そして院長室に呼び出されて、今日しなくちゃいけないことを云い付けられる。
だからあたしが他の皆と一緒に朝食を食べたり、勉強が出来ることは殆ど無い。
云い付けられる仕事が終わらないから。
昨日来た彼女に殆どって云ったのはその所為だ。
今日もあたしは何時もと同じように朝の鐘が鳴る前に起きて、身支度を整える。
途中上段から起きてごそごそする音が聞こえたけれど、あたしは何か云う時間が惜しくて、何も云わずに部屋を飛び出した。
今日は昨日の皿洗いが沢山残っていたのに、何時もより遅く起きてしまったから、とにかく時間が無かった。
走って調理場に行くと、よりによって院長先生が居た。
またサボっていたと思われて怒られる。
あたしは言い訳をしようと口を開く。
でもそれよりも早く院長先生が喋る。
「モンゴメリ。
あんた昨日洗い物しなくて良いって云ったのに、やって呉れたのかい?
しかも何時もよりも丁寧で綺麗じゃないか」
「・・・・・・え?」
あたしはポカンとして院長先生を見た。
院長先生はとても機嫌が良く、珍しくニコニコしている。
いや、それよりも。
あたしは昨日の洗い物を片付ける為に、ここに来た。
でも先生が云うにはもう終わっているみたい。
まさか妖精?
困惑しているあたしに気付かず、先生は続ける。
「ご褒美として今日の仕事は無しで良いよ。
他の皆と一緒に過ごしな。
ただし、あの変な力は使うんじゃないよ」
「はい。
有り難うございます、院長先生」
あたしは喜んで部屋に走った。
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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月19日 21時