検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:71,343 hit

高所 ページ24

「却説、次は本命の虎を捕まえましょう」

あたしは扉が閉じたのを確認して沙羅に云う。

沙羅は頷いて箱から飛び降りる。

「貴女高い処好きよね」

ふと気になって呟く。

そう云えば拠点の白鯨や宿泊亭ではよく上に昇って街を眺めていた。

「高い処で街を眺めると世界がとても広く感じるの。

そしてわたしはその世界で活動する組合の員だって考えると、とても楽しくなるのよ。

高いところに座っているのは単に脚をぶらぶらさせるのが好きなだけ」

最後は少し恥ずかしそうに沙羅は云った。

「さぁ、早く済ませて帰りましょ」

「そうね」

あたしは異能を解除した。

途端に止まっていた外の世界が動き始める。

人々は覚えていない。

つい先刻までアンの部屋に囚われていたことを。

記憶がないって云うのは良いことね。




敦side


「思い出させてあ」

ぶつりと不自然な部分でナオミさんの言葉が途切れる。

如何したのか気になって後ろを振り返ってみる。

「・・・・・・ナオミ?」

谷崎さんが呆然と呟く。

居なかった。

僕達の直ぐ後ろに居た筈のナオミさんが。

何の前触れもなく忽然と姿を消した。

「・・・・・・真逆」

賢治君やマフィアのビルの様に組合の仕業か。

こんな一瞬で連れ去れるなんて。

「ナオミッ!?」

弾かれたように谷崎さんが駆け出す。

「奴等の攻撃だ!

莫迦な、何の気配も無かッたぞ!」

「敵が直ぐ近くに居るんだ・・・・・・!

谷崎さん、危険です!」

慌てててを伸ばすもその手は彼には届かない。

「何処だ!糞ッ

ナオミを返せ!」

「谷崎さん!」

走る彼を僕も走って追い掛ける。

「退けッ!」

「きゃっ」

彼は歩いていた少女の背を突き飛ばす。

「大丈夫!?

僕は駆け寄り彼女を見る。

「君は・・・・・・!」

「異能力『青い瞳の人形』」

僕が驚きの声をあげるのと彼女が異能名を唱えるのはほぼ同時だった。

感情→←妹



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。