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「げる・・・・・・

貴女達、組合の!」

恐怖
沙羅の異能によって連れて来られた彼女はあたし達を見て叫ぶ。

他の関係無い人達も自分の居る状況が判らず狼狽え、叫ぶ。

「ようこそ、アンの部屋へ。

あたしはモンゴメリ。

此方はあたしの親友の沙羅よ」

にこりと微笑んであたしは告げる。

此処からはあたしの仕事。

やる事の無くなった沙羅は手近なラッピングされた箱に腰掛ける。

「貴女達なのね、昨日賢治君を誘拐したのは。

彼は今何処に居るのか教えて頂けないかしら?」

優しく尋ねては居るけれど、眼が笑っていない。

ま、当然でしょうけど。

「彼はアンとの勝負に負けた所為で囚われているわ。

其処の黒い扉の中よ。

因みに彼方の白い扉は外と繋がっているわ」

彼女は迷う事無く真っ直ぐと黒い扉に向かった。

「賢治君!」

がちゃがちゃとノブを回すけれど開く事は無い。

だって鍵はあたしがもって居るんだもの。

「鍵が無くてはその扉は開かないわ。

白い扉は開くけれど出たら此処での出来事は忘れるわよ」

それを聞いた他の人達は叫びながら白い扉に殺到する。

ばいばーいと云う風に沙羅は手を振る。

「貴女は逃げなくて宜しいの?」

「云われなくても彼を出してくれたら出て行くわ」

キッとあたしを見据えて彼女は云う。

「そうねぇ、アンとの勝負に勝ったら出してあげても良いわよ」

予定通りに事が進みそうで何よりだわ。

あたしはアンの名を呼ぶ。

直後あたしの背後にアンが現れる。

「勝負は簡単。

この子と追い掛けっ子をしてタッチされた負けで、貴女も彼と一緒に囚われて貰うわ」

「制限時間とかは無いのかしら」

意外にも頭の善く回る子みたい。

制限時間が無ければ永遠に続いてしまうもの。

「そうね、五分間逃げ続けられれば良いわ。

怖がらないのね、貴女」

「怖いわよ、勿論。

でも負けても必ず兄さまが助けに来てくれるもの」

当たり前の様に彼女は云う。

「じゃあ始めるわよ。

レディ、ゴー!」

あたしはバッと手をあげる。

彼女はその場から一歩も踏み出さぬ内にアンに捕まった。

黒い扉が開き、無数の手がアンに捕らわれた彼女を掴み部屋へと引きずり込む。

悲鳴を残して扉は閉じた。

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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

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