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時間 ページ14

「此処の院長には俺から話を通しておこう。

友人を連れて30分後に出発だ」

あたしははい、と返事をして沙羅の許に急いだ。



「沙羅!」

あたしは書庫の扉を開け放つ。

でも其処に沙羅は居なかった。

「部屋に戻ったのかしら」

あたしは呟いて自身の部屋に急ぐ。

名を呼び部屋の扉を開けると、背を向けていた沙羅が振り向いた。

「ルーシー。

そんなに大きな声で呼ばなくても聴こえてるわ」

彼女は半場呆れたように笑う。

彼女の後ろには二つの荷物。

未だ途中みたい。

「聞いていたの?」

「ええ、最初から。

組合に行くんでしょ?

貴女も準備をしないと」

わたしは一寸出てくるわ、と云って沙羅は出て行った。

沙羅も未だ荷造りの途中なのに、何処に行くのかしら。

あたしもついて行こうとすると、直ぐに戻るから、と断られた。

彼女がこうやって不意に何処かへ行こうとするのはよくあることだから、あたしは大人しく部屋に戻り、荷造りをする。



自分の分を終え、沙羅の分もする。

今日はやけに遅いわね。

そう思って何処に居るか判らないけれど迎えに行こうと部屋の扉を開けると、目の前に同じ様に開けようとして居た沙羅が居た。

「お待たせ」

沙羅はそう云って笑い、あたしと戸の隙間にするりと身を滑り込ませ、中に入る。

「沙羅の分もしておいたわ。

もうすぐで時間だから行きましょう」

「ルーシーは先生方に挨拶はなさらないの?」

少し躊躇った後沙羅が口を開く。

あたしは黙って頚を振った。

沙羅が来てくれたことにより、折檻される回数は減った。

それでもたまにされる時はあるし、先生方には恨みの気持ちはあっても感謝の気持ちは殆ど無いから。

「先生方もこれで厄介者が居なくなったとお喜びに成るでしょうね」

あたしは呟いて、自分の荷物を手に取る。

いきましょ、と呟いてあたしは十年近く過ごしていた部屋を後にした。

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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

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