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密会 ページ39

「ようこそ、首領」

探偵社に指定された場所に着くと、太宰が出迎えた。

一瞬目が合ったが、あたしは逸らして仕舞った。

「四年振りだねぇ」

あたしは首領の後ろに隠れるようにして立っているから、首領が如何な顔をして云ったのかは、判らない。

けど、笑っているのだろう。

太宰が嫌そうな顔をしたから。

「私が購ってあげた外套はまだ使っているかい?」

「もちろん」

太宰が間髪いれず答える。

「焼きました」と。

「ポートマフィア首領。

森鴎外殿」

太宰の奥から社長が姿を現す。

後ろには国木田さんも居た。

眼力だけで人を殺すことが可能なら、あたしは国木田さんに殺されてる。

当たり前だ。

信頼されていたのに、裏切ったのだから。

「武装探偵社社長。

福沢諭吉殿」

首領が一歩前に出る。


不意に猫が足元に寄ってきた。

あたしはそいつを抱き上げ、端の方に連れていく。

若しかしたら戦うことになるかもしれない。

この場で。

だから被害に遭わないように避難させるのだ。

「ついにこの時が来たな」

「探偵社とポートマフィア。

横浜の二大異能組織の長がこうして密会していると知ったら、政府上層部は泡を吹くでしょうねぇ」

後ろから首領がクスリと笑う声が聞こえる。

「単刀直入に云おう。

探偵社の或る新人が、貴君らポートマフィアとの「同盟」を具申した」

・・・・・・え?

新人と云えば鏡花か、敦だ。

鏡花は未だ行方不明だから、敦だろう。

「ほう」

「私は反対した。

非合法組織との共同戦線など、社の指針に反する。

だがそれは、マフィアに何度も撃たれ斬られ、拐かされた者から為された提案だ。

言葉の重みが違う」

だけど、何故。

敦はマフィアを恨んでいる筈だ。

何度も傷つけたのだから。

「故に、組織の長として耳を傾けざるを得なかった」

「お互い苦労の絶えん立場ですな」

また首領がクスリと笑う。

「結論を云う。



同盟はならずとも、一時的な停戦を申し入れたい」

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設定タグ:文スト , 中島敦 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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笹山花音(プロフ) - コメント有り難うございます!!面白いなんて、嬉しいです。  深紅の瞳、読みました!とても面白くて、続きが気になる作品ですね。 (2017年4月1日 18時) (レス) id: 33f32af820 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - すごく面白いです!!!!更新頑張ってください! (2017年3月31日 23時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月22日 21時

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