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ケーキ ページ30

それから五日が過ぎた。

そう云えば、今日は夢野が帰ってくる日だ。

外出記念日としてケーキでも買ってあげようかな。

数年振りの外は如何感じただろうか。

彼が欲しがるもの、行きたがるところは出来るだけ叶えてあげるように云ってあるが、無理なものもあった。

その事で怒ってないと良いけど。

あたしは机の上を片付け、ケーキ屋に向かう。

どのケーキが良いかな。

無難なショートケーキか。

それとも、子供らしいチョコレートケーキか。

彼は黒糖が好きだけど、残念ながら黒糖のケーキはない。

ワッフルやミルフィーユも良いな。

ショーウィンドウを覗くと、一口サイズの様々な種類のケーキが売っていた。

これがいい。

これなら、自分の好きなものを選ぶ事が出来る。

あたしは店員さんに一口サイズのケーキをすべて詰めるように頼む。

会計へ進み、お金を払う。

・・・・・・夢野のお小遣いに財布の中身が殆ど消えていた所為で、全額分ギリギリだった。

口座には沢山入ってるけど卸すの忘れてた。

ケーキを持って店を出る。

「おっと」

出た瞬間に誰かとぶつかりそうになって、かわす。

「何があった」

ぶつかった人が誰かを認識して、あたしは慌てて云った。

ぶつかった人は、夢野の付き添いを頼んだ人だ。

彼が慌てて走って来て、夢野が側に居ないとなれば、夢野に何か在ったということぐらい判る。

彼は乱れた呼吸を整え、顔をあげる。

その顔は真っ青だ。

「Qが、夢野久作が組合に拐われました・・・・・・!」

ゴトッと抱えていたケーキの箱が落ちた。

何てことだ。

夢野が拐われたとなれば、組合は何をするか判らない。

「何があったのかを詳しく教えて」

「Qが組合の異能者に異能を使用しようとしたとき、その異能者が人外の姿になり、Qを・・・・・・」

あたしは薄型端末を取り出し、組合に関する資料の頁を開く。

その中から顔写真を出して彼に見せる。

「こいつです」

彼が示したのは、黒髪の長身の男。

名はハワード・フィリップス・ラヴクラフト

「帰って首領に報告するわ。

貴方は、一緒に来て詳しいことを報告して」

あたしは返事を待たず、本部に向けて駆け出した。

走って来たばかりの彼には辛いだろうが、仕方がない。

夢野をちゃんと管理せず、組合に渡してしまった彼の失態だ。

どうか彼が無事で居ますように。

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設定タグ:文スト , 中島敦 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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笹山花音(プロフ) - コメント有り難うございます!!面白いなんて、嬉しいです。  深紅の瞳、読みました!とても面白くて、続きが気になる作品ですね。 (2017年4月1日 18時) (レス) id: 33f32af820 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - すごく面白いです!!!!更新頑張ってください! (2017年3月31日 23時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月22日 21時

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