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「首領。家が在りません」

あたしがそう云うと、首領は驚いたように眼をパチパチさせ、「家が、無い?」とあたしの言葉を反芻する。

「はい。無いです」

「9年前、先代から家を与えられて居なかったかね?」

「頂いていました」

あたしは首領の言葉に頷く。

「ならば、何故無いのかね?」

あたしは暫く如何云えば良いか、考えた。

「燃やしました」

結局、簡単に答えることにした。

「家の中に極秘資料等が在ったため、消す為に燃やしました」

理由には『マフィアと決別する為』もあったが、それは云わない方が良いと判断した。


首領は溜め息を吐くと、頭を抱えた。

流石に呆れたらしい。

「でもまあ、大丈夫ですよ。

首領。

執務室のソファで寝ますから」

「駄目だ」

即答された。

別にソファでも寝られるけど。

「岡野くんみたいな人が来たら危ないだろう」

「大丈夫ですよ、首領。

そんな簡単に殺られませんから」

反論するが、首領は駄目だ、の一点張り。

「なら、首領のベッド貸してください。

首領の部屋なら流石に来ないでしょう?」

「君が来たら、私は何処で寝れば良いんだい?」

「エリスのベッド」

盛大な溜め息を頂いた。

まあ、当然却下だろうなと判って云った冗談だが。

首領は机の引き出しを開け、何かを取り出すと、あたしに投げて寄越した。

あたしはそれを掴む。

それは銀色に輝く鍵。

「・・・・・・何です?此」

「私の寝室の鍵だ」

今更「冗談でした」何て云えないよ。

如何しよう。

「君は疾く寝なさい。

寝室まではエリスちゃんが案内してくれるから」

「行こ、A」

何時の間にか横に居たエリスにスカートの裾を引っ張られる。

「あの、首領は何処で寝るんですか」

慌ててあたしは訊く。

「私は家に帰って寝るよ。

最近帰れてないから良い機会だ」

「・・・・・・有り難う御座います」

あたしは一礼して部屋を出た。

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設定タグ:文スト , 中島敦 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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笹山花音(プロフ) - コメント有り難うございます!!面白いなんて、嬉しいです。  深紅の瞳、読みました!とても面白くて、続きが気になる作品ですね。 (2017年4月1日 18時) (レス) id: 33f32af820 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - すごく面白いです!!!!更新頑張ってください! (2017年3月31日 23時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月22日 21時

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