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子供 ページ3

敦side



「敦くん」

「はい、何でしょう?」

何が仕掛けられるのかと考え込んでいると名前を呼ばれた。

「君はAの事を大層信頼してるみたいだが、気を付けた方が良い」

「如何いう事です?」

それではまるで彼女を信用するなと云っている様に聞こえてしまう。

「彼女は私がマフィアに入る前から居たんだ。

幼かった頃から大人と同等の仕事を与えられて育ってきた。

だから、今は彼女の想いは此方側にあるけど何時彼方側に傾くか判らない。

彼女は強いよ。

もしかしたら君や芥川くんよりも」

「ッ」

何で僕はそんな簡単なことに気付かなかったんだろう。

彼女とは知り合いで、短い間だけど一緒に過ごしていた。

ただそれだけの理由で彼女は大丈夫だと信じ込んでいた。

昔の彼女のままな筈がないのに。

「Aはまだ子供なんだ」

ポツリと太宰さんが言葉を溢す。

「技能や知識ならその辺の大人以上に持っている。

特に暗殺の技術は物心つく頃から教えられていたお陰で、彼女より上のものは恐らく居ない。

それに彼女は生まれながらの演者で、常に自分という存在を演じている。

Aという人間はこんな時如何思うか?

如何行動するか?

常にそれを自問し続けて居るんだ」

僕は言葉を失った。

孤児院に居た頃、何時も笑っていた彼女。

あの笑顔は本物なのか?

もしかしたらつくられたものだったのか?

疑念に満ちた想いで思い出そうとするけれど、記憶の中の彼女はどれも自然だった。

演じているだなんて迚も思えない。

「彼女は子供のまま大人になった。

無邪気な子供のままなんだ」

「・・・・・・」

僕は何と云えば良いのか判らず、ただ黙っていた。

そのままどちらも何も話さない時間が過ぎる。

「そんなに構えなくても大丈夫だよ、敦くん」

くすりと笑って太宰さんが云う。

「君を怖がらせたかった訳じゃない。

マフィアには見た目では判断できない人が多いってだけだ」

僕はホッと息を吐き、太宰さんを見上げる。

嘘か本当か判らない笑みを返された

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設定タグ:文スト , 中島敦 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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笹山花音(プロフ) - コメント有り難うございます!!面白いなんて、嬉しいです。  深紅の瞳、読みました!とても面白くて、続きが気になる作品ですね。 (2017年4月1日 18時) (レス) id: 33f32af820 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - すごく面白いです!!!!更新頑張ってください! (2017年3月31日 23時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月22日 21時

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