【問1】輪廻転生を信じますか？ (ページ4)

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3話ページ4

私主催で急遽開催された自己紹介ゲームに皆は戸惑っていたが、何とか仲の良い子や流行を把握することが出来た。

雑誌「小学1年生」がどうだとか、ドラえもんがどうだとか……
なかなかに時代を感じる話題ばかりで流れが掴みきれず、
伝家の宝刀「それな！」を駆使しなんとか乗り切っていると、あっという間に幼稚園での時間は過ぎ去っていった。

幼稚園ってこんなに早かったんだ。

お母さんが迎えに来てくれて、帰ろうとした矢先。
今朝来た方向とは真逆の道に進みだしたのだ。

「おうちそっちじゃなくない？」
「？今日は空手のお稽古がある日じゃない！」
「あぇ？」

空手？空手って言った！？この人！？！？
もうやらないって誓ったのに！！

「ホラ、Aちゃん行きたがってたじゃない！佐野道場！」
「……佐野」
「ん？なにか言った？」
「う、ううん！思い出したよ！Aとっても楽しみ！！」

5歳ならば、気が変わって行くのを止めると言い出しても不自然では無かっただろうか。

何故行くのを止めると言えなかったのだろうか。

それはやはり、道場の名前に聞き覚えがあったからだろう。

成り代わり。

この時点でもう、現実では無いのだ。

もしかしたら。

ひょっとしたらと期待に胸を膨らませてしまうのは、愚かだろうか。

大好きだった漫画。
それに出てくる道場の名前と全く同じ。
1990年。
東京都渋谷区。

凡そ偶然では説明がつかないほどパズルのピースの様にピッタリと合わさったそれは、私を掴んで離すことは無かった。