誠の旗の元で。続

五拾玖 ページ10

鬼…って言った？





そんな…




貴「ありえない！私の父は多々良長幸！！人間です!!人です…!!」




風「お前の母は、紀伊国の頭。鬼だ」




貴「そんな…」




風「これが、お前が隠し子として育てられた理由だ。表の世界に出られない、鬼だからだ」





紀伊国…？鬼…？





貴「そんな…」




不「物わかりが良くねぇ嬢ちゃんだ。こうしたらわかるんじゃねえの？」




貴「…なにを！」




不知火、と呼ばれていた男の方に目を向けると、





銃を構えていた




貴「…!!」




ﾊﾞﾝｯ




はっきりと銃弾の軌道がみえる




ギリギリのところでかわした




斉「見えた…のか？」




貴「えっ…」




不「お前が普通の女じゃねえ証拠だ」




貴「…っ」




言い逃れができない状況となった




斉「…そんなことはどうでも良い。雪村綱道はどこにいる」




その言葉にはっとさせられた




"どうでも良い"って言うのは、




今まで通り普通に接してくれるということなのか




仕事としては…ということなのか




天「薩長と共に行動しています」




斉「何故だ」




一くんがさらに深く聞こうとする





不「こっから先は有料だ。残念だな」




ﾊﾞﾝｯ




貴「いっ…」




突然のことで避けきれず、左腕にあたってしまう




斉「A!!」




その傷もすぐに塞がってしまう




天「あなたが鬼であるもう一つの証拠です」




風「また、会うことになるだろう…楽しみだ」




そう言うと、彼らは背中を向けて消えていった

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