誠の旗の元で。続

五拾 ページ1

前回。





雨の中屯所まで走り、風邪をひく




一くんが看病をしてくれる





看病の際、手を握ってくれて…





次の日は体調が良くなった





朝、一くんに呼ばれ、勝手場へと向かう…





――――――――――――
沖「おはよう。体調はどう？」





貴「万全だよ！昨日はありがとう！」





沖「僕はヘタレな一くんを連れていったってくらいしかしてないけど、どういたしまして。」





貴「おひたしの野菜切った？」





斉「まだだ。頼んでも良いか？」





貴「任せて！」





まな板の上に出されていた、包丁を握った





今日はほうれん草のおひたしだ。





総くんと一くんがおひたし作ったら濃いか薄いかのどっちかだ…





体調が戻って良かった…





沖「一くん。昨日はAに何もしなかった？」





斉「は。」






貴「…」





ｻｸｯ





貴「痛い！」





斉「大丈夫か!?」





貴「大丈夫…」





自分の傷を確認するため、痛みのあったところを見た





…塞がった……？





貴「…気のせいだったみたい！」





斉「そうか。良かった」





沖「いや待って、怪しすぎるから。昨日なにかしたんでしょ」





斉「何もしてはいない」





一くんが必死で弁解してくれている中、私はこの状況が理解出来ずにいた





痛みがあったはずだ





傷口を見た瞬間、塞がった






こんな能力があるのは、私のなかで1つしか知らない





――――羅刹





だけど私は昼、動ける身





本当に気のせいだったのかもしれない





包丁の"赤い汚れ"は見なかったフリをし、





水で流し、野菜を切り進めた





沖「…そう思うよね？A」





貴「…え？」





総くんは嬉々とした表情を見せ






一くんは焦りの表情を見せている





貴「…あっ。ごめんきいてなかった」





その言葉をはっすると、一くんはホッとした顔になり…





斉「聞かなくて良い」





貴「え、なになに？」





一くんを二人でからかいながら、調理をすすめた






沖「だからー」





平「おい！飯まだかよ！」





新「時間とっくに過ぎてるぞ！」





原「Aがいるのに、珍しいじゃねえか。時間に間に合わねぇなんて」





貴「え、嘘。時間？おひたしは出来てるけど…」





斉「すまない。」





沖「一くんが変な反応するからだよ。」





貴「…二人とも……」

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