その三人、救済 【あんスタ】

課外 ページ27

「〜っ！やーっと終わった〜！」




「マジ疲れた…Aー、なんかお菓子持ってない？」




「えー、ちょうど切らしててねーわ。」




「マージか」









今までキャラ作りの為にあんまり真面目に授業に参加していなかったため、そのツケとして放課後三時間課外講習に追われた。



本来なら留年になるんだろうけど、元々の性格と学院…先生達の利益が思ったよりも大きかったんだろうね。それで1ヶ月間の課外でOKになったんだと思う。



ん？利益って例えば？



そうだね…。『三大華』って自分で言うのもなんだけど、地味に人気があったじゃん？



その『三大華』のリーダー『天野A』が悪魔になって、それがやっと元に戻るかも知れません〜みたいな事を言えば人が来るわけだ。



実際それを試してみれば沢山の人が来たし、自動販売機やら売店やらチケット代やらを合わせたらそこそこの売上が出て、それだけで学院は万々歳。



そこに『三大華』の戻った場所をセッティングしたって事で『夢ノ咲学院』そのものの評判が右肩上がりになったんだ。そりゃあ優遇するよね。



わかったかな？まぁわかってなくてもここで話してるのはぽやっとしたイメージだから、大丈夫だよ。



とりま、その事は一旦横に置いて。



そろそろ最終下校時刻なので、転校生ちゃんの所に行こうと思います！！！


＿＿＿＿＿＿
＿＿＿



「くぬぎんせんせーは図書館にいるって言ってたけどさ、あれ嘘だったんじゃない？」




「だよねぇ？」




「どうする、明日の朝にする？」




「…いや、なんか嫌な予感がするから外見てきてもいい？」




「おっけい、じゃあウチらは練習室辺りをうろちょろしてるよ。何かあったら連絡ちょうだい」




「はいよー」










くぬぎんせんせーの悪態をつきながら図書館から出ると、ぞわりと悪寒が走った。これは…。


ただの思い過ごしならいいけど、そうじゃなかったら大変な事になってるよね。
だって、だってこの感じの悪寒は、一年前…ライブ中に刺された事件のときになった悪寒と同じだから。



心配をかけたい訳では無いので詳しい事は説明しなかった。それでも何も聞かずに送り出してくれる二人には感謝しかない。ほんっとありがとうございます。



廊下に誰もいないことを確認し、駆け足で廊下を抜ける。


目指すは体育館裏。…この嫌な予感が杞憂だと良いんだけど。

ギリアウト→←担任

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す