その三人、救済 【あんスタ】

受付嬢 ページ25

「３ーＣ 『三大華』の天野Aです。」



「はい、３ーＣの…って。」



「お久しぶりですね。おはようございます。」








悪魔のニヤリとした笑みではなく天野Aとして微笑んで挨拶すれば、受付嬢がぶわりと今にも泣きそうな表情を浮かべた。



この人は私が１年生の時一悶着あった受付嬢。なんだかんだオフの時とかも会うようになって仲良くなってた人なんだ。



見た目は少しギャルっぽいけど、根は真面目でとっても優しい良い人で私達『三大華』の事を妹みたいに構ってくれてたから、悪魔の時の受け付けはとっても辛かった。



だって笑って受け付けしててくれたのがいきなり親の仇のような目をして受付されたんだもん。そりゃ辛いわ…。



まぁとりあえず、色々話すこともあるので後ろには時間ぎりぎりということもあって誰も並んでいなかったため、少しだけ会話することにした。









「久しぶり…！！昨日の『DDD』良かったよ〜！」



「ありがとうございます。やっと、戻ってこれました…！」









受け付けだけとりあえず済ませて手を取り合って挨拶を交わす。ぴょんぴょん跳ねながら『DDD』の感想を貰い、少し照れながらただいまとはにかむ。









「なになに〜？わたし達を置いて何話してるんですか〜？」



「受付嬢じゃん！なんでウチら混ぜないの！」



「ごめんごめん、二人ともファンクラブの子達とは話終わってないかなーって思ってさ。」








そのまま暫く話していれば二人が戻ってきた。のっちが私に抱きついて虹歩が私の頭をグイッと押す。



そのまま続けられる会話においおい、とは思いつつもこの雰囲気が好きなのは他でもない私なので、何も言わずに頬をかいて笑った。








「ねーえ、受付嬢。ウチらも無事戻ったことだしさ、名前くらい教えてよ。」



「だーめです。」



「ケチー！」








そんな事をしてるとあっという間に話題は変わり、受付嬢の名前についての話になった。



そう、実はこんなに仲良くしてもらっているのにも関わらず私達は誰もこの受付嬢の名前を知らない。



まぁ私だって教えては欲しいけど、それをしてしまえば受付嬢の仕事を奪ってしまうことになってしまうかもしれないからやらないけど。




二人もその事をきちんと分かっているから茶化すように笑ってる。いつも通りの風景に何故か心が痛くなった。

担任→←中田さん

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