弍拾弍話 ページ7
見慣れた色とりどりの花が咲き乱れている花畑に降りたった。…これでもう見納めだと思うと感傷深いものはあるかもしれない。いや、それは無いな。
振り返ってみれば、あっという間の２週間だった。まだあの少女が自由に生きていくことは出来ないかもしれないが、一応目処はついている。それまでは窮屈な思いをさせてしまうが、自分の家に住ませることにした。
いつも通り、監視カメラの死角を通りながら少女の部屋へ向かう。改めて脳内で脱出経路の確認をした。…きっと大丈夫。あの時の二の舞には絶対させてたまるものか。
そんなことを考えているうちにあっという間に部屋に着いてしまった。深呼吸を１回、２回。胸に手を当ててからノックを３回した。
「＿＿＿＿仮面ライダー、ウォルク。君を助けに来たよ。」
「…うん！」
完全にドアが閉まってから飛びついてきた少女を受け止め、頭を撫でる。大丈夫、大丈夫だ。だってこれまであの子以外全員助けられたのだから。
拭いきれない漠然とした不安を無くすように、少女に最後の確認をとる。大事そうに持っていた黒猫の人形は置いていくようだった。
「…ねぇ、お兄さん。」
「どうしたんだい？」
「あのね、ここから出たらわたしの…」
名前をつけて欲しいの。
やっぱり、ダメ？というような表情を浮かべた少女。少し面食らってしまったが、一拍あけて口を開く。
「自分でいいのかい？」
「もちろんなの！絶対お兄さんにつけて欲しいって思ってたの。」
そこまで聞いて断る理由もない。喜んで贈るよ、と微笑めば、少女はそれはそれは嬉しそうに笑った。
「そうと決まればさっさとこんな施設出てしまおう。君にはこんな牢獄みたいな所じゃなくて、広々とした所が似合う。」
「…お兄さんは一緒に住んでくれるの？」
「あぁ、君が望むなら。…まぁ、望まれなくても暫くは一緒さ。」
茶目っ気たっぷりにそう言えば、少女はぎゅっと抱きついてきた。これは…肯定と捉えていいのかな。
一応実家は随分前に『空間』に閉まってある。老朽化が怖いから使えなくてね。
そこからは『治癒』をかけまくったら世界樹並の大きさになってしまった木にツリーハウスをつくって住んでるんだ。この子は満足してくれるかな。
「さぁ行くよ。しっかりつかまって、顔は隠すんだよ。」
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あらぶるモブ - おもろいです、頑張って更新してくださいね！ (2021年8月2日 16時) (
レス) id: 485c7d75ea (このIDを非表示/違反報告)
羅氷華(プロフ) - まるさん» 申し訳ございません。確認ミスでした。ご指摘、ありがとうございます。 (2018年12月16日 6時) (レス) id: 968e3ffeee (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外してから更新して貰えませんか？違反作品がどんどん増えていきますから。 (2018年12月15日 23時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年12月15日 22時
