らしくないバイパーとリリアに対する考察 ページ13
緊張状態の中で現れた宙に浮く赤ん坊の姿にティモッテオは何かに気づいたように目を細めた。
「そのおしゃぶりをしているということは…君はアルコバレーノだね」
「だとしたら？」
表情はフードで隠れていて見えないが、大人達にはバイパーの口角が面白いと言わんばかりに上がっているのが確認出来た。
それはまるでティモッテオ等を嘲笑っているようにも、この状況を楽しんでいるようにも思える笑みだった。
実に"バイパーらしくない"。
『バイパー、話を戻すぞ』
リリアの一言で場は再び張り詰めたものになる。
『今一度聞く。貴様等の目的は何じゃ』
幼子と言っても差し支えない歳ほどのリリアの真紅は過激で、それでいて叡智に溢れた色を彼等に魅せた。
それは正しく支配者の色であった。
横目でそれを盗み見たバイパーは胸中で感嘆のため息を漏らした。
これこそ自分の追い求めていたものではないだろうか。
一方でクロッカン・ブッシュは途轍もない衝撃に胸を打たれていた。
目の前の幼子が放つ威圧により彼女が身に纏っていた霧は霧散し、幻術は解かれた。
それまで彼は一度たりとも彼女の幻術を見破ることが出来なかったのだ。
そう、マフィア最大手のボンゴレファミリー現霧の守護者であるクロッカン・ブッシュが、優秀な術士が、幼子に掛かっていた幻覚には気づけたものの見破ることは出来なかったのである。
つまり、彼はリリアの雰囲気に飲まれていたのだ。
彼女がクロッカン・ブッシュの視界に入った瞬間、彼は威圧感に飲まれ負け、その脳は彼女の支配下に置かれたのだった。
そして、ティモッテオは……
「一つは、君が持っているという炎を見るために」
『あれは憤怒の炎と言う。貴様の組織の二代目が有していたそうじゃな』
「！」
『フフ……余には至極優秀な部下が在るからの』
リリアの、大人ふたりを前にして臆することもなく腰を据えて場の主導を握る様は支配者然としていて慣れを感じさせた。
そしてアルコバレーノに流した視線は純粋に部下を褒めるものであり、艶を含んでいるように見えなくもない。
頭もよく回る。
彼女の醸し出す雰囲気さえも、全てが異常と言っても可笑しくはなかった。
「……そしてもう一つ。君に、会ってみたいと思ったんだ」
しかしティモッテオが素直にそう告白した言葉にリリアはきょとりとして目を開き、小首を傾げた。
彼は思った。
ああ、でも………彼女は案外普通の女の子かもしれないな。
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霽月(プロフ) - 珠美さん» はじめまして! お褒め頂き光栄です。ありがとうございます! しっかり頑張りますね。 (2015年9月10日 0時) (
レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - はじめまして、すごく引き込まれました｡続きが気になります、身体に気を付けて、頑張ってください。 (2015年9月6日 17時) (レス) id: fade1e24b8 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 桜みるくさん» 閲覧頂きありがとうございます!わたしなんてまだまだですよ(笑)お褒めの言葉を頂いてしまったので是非とも頑張らせていただきますね。 (2015年7月26日 9時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
桜みるく(プロフ) - 今日初めて読ませて頂きました！とっても面白いですね(*´ω｀*)羨ましいです……私もこれくらいかけるように……笑笑(*´-`)冗談は置いておいて……面白かったので続きを楽しみにしてす！頑張ってくださいな(*´∀`)♪ (2015年7月26日 6時) (レス) id: 3a3c083b04 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - マシマロさん» きゃあ、お久しぶりです! 今回も読んでくれてありがとう!!これからがリリアちゃんのはちゃめちゃ人生のスタートになるので注目やで!! (2015年7月24日 11時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2014年10月13日 19時
