リリアの敵と味方 ページ12
温かそうな赤いマフラーをし、モンブランの色によく似たスーツを着ているティモッテオは数秒の間リリアの真紅を覗き込むようにし、そしてそれから表情を和らげた。
「そうか……XANXUS………君はわしの息子じゃ」
そう言ったティモッテオはリリアの目線に合わせるためにしゃがみ、長時間も外気に触れているために白い首にふんわりとマフラーを巻く。
マフラーというものを初めてみたリリアは一度ぱちりと目を見開き、しかしすぐに真顔に戻した。
優しくされたからといってその者が敵でないとは断言できないし、会ったばかりで相手を信用出来るほどリリアは純粋ではなかった。
きっと前世でのリリアの記憶や勘が訴えているのだろう。
―――――この眼前に佇む好々爺然とした爺様はリリアにとって敵となり得るかもしれない、と。
ふうっ、肩の力を抜いて吐息を零したリリアは軽く足を開き、ひたとティモッテオを見据える。
まだまだ幼い子どもには到底有り得ぬ瞳の鋭さに大人ふたりが自然と眉根を寄せたその瞬間、どさりと、リリアの背後に立っていた名ばかりの母親が何の前触れもなく冷えた地面に倒れこんだ。
「「！？」」
ニッ。
リリアは口角を上げた。
『邪魔者が居なくなった所で聞こう。貴様等の目的は何じゃ』
小さな体格から発せられているとは思えぬ威圧がリリアの周りを取り巻き、彼女が自身に掛けていた幻術さえも霧となって消失していく。
路上に吹き込む風までもが彼女を応援しているかのように唸り声を上げ、リリアの細首に巻かれた赤いマフラーがふわりと靡く。
冬にはあまり見ることのない、燃えるような朝陽がリリアの背後から立ち昇る。
『余の存在を抹消するためか、誘拐するためか、―――――それとも、この炎が欲しいのか』
コオオォオ…！
金と紅の入り混じった、神々しくも畏怖の念を誘う紅蓮の炎がリリアの右手上で燦然と輝く。
それに照らされた真紅の双眸は獲物を見つけた獰猛な獣の如くギラついている。
『嘘を吐こうなどと思うでないぞ？』
もし嘘など吐いたらどうなるか…。
きっとリリアは問答無用で嘘吐き者を燃やしてしまうだろう。
「……君は、一体…」
「その辺にしておきなよ、リリア」
大人と子どもの間にある緊張をぶった斬ったのはマーモンだった。
「ついこの前マフィアのことを教えたばかりだっていうのに……死にたいのかい？」
『ふん。窮地にでもなれば余の元に来てくれるくせにのぅ』
「ぐ…」
.
らしくないバイパーとリリアに対する考察→←ティモッテオと対面
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霽月(プロフ) - 珠美さん» はじめまして! お褒め頂き光栄です。ありがとうございます! しっかり頑張りますね。 (2015年9月10日 0時) (
レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - はじめまして、すごく引き込まれました｡続きが気になります、身体に気を付けて、頑張ってください。 (2015年9月6日 17時) (レス) id: fade1e24b8 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 桜みるくさん» 閲覧頂きありがとうございます!わたしなんてまだまだですよ(笑)お褒めの言葉を頂いてしまったので是非とも頑張らせていただきますね。 (2015年7月26日 9時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
桜みるく(プロフ) - 今日初めて読ませて頂きました！とっても面白いですね(*´ω｀*)羨ましいです……私もこれくらいかけるように……笑笑(*´-`)冗談は置いておいて……面白かったので続きを楽しみにしてす！頑張ってくださいな(*´∀`)♪ (2015年7月26日 6時) (レス) id: 3a3c083b04 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - マシマロさん» きゃあ、お久しぶりです! 今回も読んでくれてありがとう!!これからがリリアちゃんのはちゃめちゃ人生のスタートになるので注目やで!! (2015年7月24日 11時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2014年10月13日 19時
