[RKRN]猫かぶり天女？のストレスデイ (ページ3)

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2話ページ3

菜月side

後ろの人の顔も見えぬまま、ひとつの建物の前に連れてこられた。
それは現代には珍しいであろう、日本家屋で、初めて見る私にとってこんな状況であるにもかかわらずテンションが上がってしまうのも仕方がないと思う。

そんな現実逃避をしている私をずっと無言で圧力をかけながら拘束している人は、なにかの合図があったのか急に歩き出す。
それに押されるように建物の中に入れられた。

そこには何か既視感のある老人と、特徴的な髪型をした男の子が、目の前には座っていた。

？「おお、よく連れてきたのぉ。ご苦労じゃったな、鉢屋三郎」

三郎「はっ！」

菜月「....はちや？」

知らない人のはずなのに、どこか聞き覚えのある名前を小さな声で復唱する。

すると、しっかりその声が聞こえたのか、後ろの男の子に睨まれる気配がした。

知らない人ではあるし、拘束はされてはいるけれど、1人ではないことに少しの安心を覚えた私は、少しずつ今自分の置かれている状況の異常さに気づき始める。

菜月(なんだよ、これ...マジで意味わからんし...)

ずっと意味がわからない、こんな状況わかってたまるかと、往生際悪く現実逃避を繰り返す私を見て、なにかに気づいた老人が

？「お主、怪我をしておるのぉ」

菜月「え？けが？」

？「確かに、よく見ると足やら手のひらやら、あと、いちばん酷いのは首の怪我ですね...」

もう1人の男の子が怪我の部分を淡々と言っていく。

指摘をされると、確かに痛み出す部分に目をやる、ところどころ確かに血が滲んでいて、足や手は自分で見えるし、確認もできるが首は確かに痛みはするものの見えないので、手を首に当ててみる、すると、手には首から出ているであろう血が少量ながら着いていた。

もちろんの事、普段怪我のすることの無い場所から血が出ているのだ、途端に実感が増し、それと同時に痛みも増していく。

菜月「え....」

菜月(痛い...もうほんとに、なんなの...)

そう心の中で思った時、自分が倒れていることに気づいく、前に座っている男の子が焦った様子で私の前にかけて来たところで意識が途絶えた。