Secret×Secret ページ17
赤side
ホームルームが終わると、一番に教室を飛び出した。向かうのは2つ向こうの、階段の隣の教室。
ざわつく教室で、カバンに筆箱と弁当箱をしまうともの穏やかな横顔に、つい見入ってしまう。毎日のことだけど、飽きることなんてない。
ちょうど支度が終わったタイミングを見計らって、
「とも、帰ろ」
吐きそうなほどに甘ったるい声。俺をこんなふうに変えたのは、入学式で出会ったこの愛しい子。
嬉しそうに駆け寄ると、隣に並ぶ。
見た目は全然違うのに、歩幅も歩く速さも一緒。相性良すぎて、出会えた奇跡にいつも感謝してる。
先週辺りから、挙動不審なとも。
理由なんてお見通し。
やってもうすぐ付き合って一ヶ月やもんな？
「記念日とかするタイプ？」
付き合う直前、両思いなんかなーってお互い感じてる微妙な頃、ガチガチに緊張しながら訊いてきたん、ちゃんと憶えてるし。
「なぁ、」
「ん？」
上げた顔は、やっぱり緊張してる。
「来週の土曜日、時間ある？」
「あ、うん」
「一緒にケーキ食べよ？」
そう言うと、ぱぁっと明るむ顔。
ちゃんとともが大好きなケーキ、ともの親友の小瀧にリサーチ済みやし。
今だって、その日のために部屋めちゃくちゃ気合い入れて掃除してるところやし。
そろそろともと初チューしたいな、なんて恥ずかしい欲望をひた隠しに笑いかける。
＿＿＿＿＿
今日から長編投稿始めました！よかったらお寄りください☺️
トンネルの向こうには
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作者名：7129
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時：2023年11月27日 20時
