水色

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パフェも食べて、しげのあんみつも分けてもらって、車の後部座席には、お土産の葡萄たち。誰にあげるって、もちろん俺らが自分達で食べるに決まってる。


「彼女さん、どうでした？俺のデート」
「俺なら惚れるな」
「まじで⁉︎自信持ってええ？」
「うん。しげの気持ち、ちゃんと伝わると思うで？なんか、大切にされてる〜って実感して、今日の俺、めちゃめちゃ幸せな気分」


イェーイ！って叫ぶと思うたのに、ちょっと寂しげに笑う大人な顔。
心配で、元気づけてやりたくて。


「お礼に、今日しげの食べたいもんでええよ？唐揚げにする？」
「…オムライスがええ」


しげの好物は唐揚げなのに、俺が好きなオムライスを選ぶ。
ほんま、しげってそういうヤツやねん。ガキかと思ってたらすごく大人っぽくて、調子狂う。


珍しく、俺らの間に沈黙が流れる。
こっそりしげの方見たら、赤信号でブレーキ踏んでるしげは、こっち向いてて。


「神ちゃんも、はよ好きな人できたらええのにな、」

なんて寂しげに言う。

「そやなぁ、けど、大丈夫。前の人のことは、吹っ切れそうな気がしてる。今が楽しいからな。ほんま、しげのおかげ」
「ならよかった、」

また流れる沈黙。
でもその度にその沈黙を破るのはやっぱりしげ。


「好きな人できたら、俺に一番に教えてな？」
「ええよ、」
「でも、俺応援できひんかも」
「ひどっ！なんでなん⁉︎」
「神ちゃん取られたくないやん！」


さっきまでの表情はどこへやら。
運転しながらジタバタと駄々をこねるしげを見て、どこかホッとしてる自分がいた。

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