Colorful stories 6（W.短編集）

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赤side



『しげの誕生日パーティー、27日と28日、どっちがええ？』

神ちゃんから、寝る前に届いたメール。

神ちゃんの誕生日当日は、2人では会われへんくて。夜は家族からお祝いしてもらうから。
家族のこと大事にするところも、大好きやねん。

幸せなことに、うちもそう。それが当たり前という幸せな環境で育った2人やから、そこはお互い不満なんてない。


で、俺の誕生日を祝ってくれる日。
そんなんどっちも空けとるに決まっとるし。
神ちゃんが他のヤツに目移りする暇もないくらい一緒にいたいし、好きな気持ち、伝えたい。

もしものことはあるかもしれへん。人の気持ちなんて、どうにもならへんこともあるし。
けど、そん時に後悔だけはしたない。


『どっちも会いたい』


意を決してわがまま言う。誕生日やしええよな、って言い訳しながら。
ドキ ドキしながら送ったのに、既読だけついて一向に返ってこないまま2分。いつも返信めちゃめちゃ速いのに。






『俺も』


ずっと見てた画面に、表示された言葉に、思わずニヤける。
どんな顔して送ってくれたんやろう。もしかして、これ送るのに時間かかった…？
あの2分間、俺のことを考えててくれたかと思うと、それだけで満たされる心。

今すぐ声が聴きたくて、画面をタップする。

『かかってくると思っとった。笑』
「バレた？笑」
『しげ、わかりやすいねんもん』

電話口で、いつもの俺の大好きな笑い声が聞こえる。

「神ちゃん、どっちの時間も、俺にくれへん？」
『そんなん逆やん。しげのお祝いなんやから。しげは…どっちも会えるん…？』

声がちっさくなって、自信なさげな息づかいまで伝わってくる。

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