keep your doubt（JW赤×緑） (ページ35)

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“今日はからあげです”

ようやく書けた付箋には、シンプルな言葉。
ぐしゃぐしゃに丸めた最初の2枚の付箋は、ゴミ箱には入れられなくて、鞄のポケットにしまった。

朝起きて、ソファに寝た形跡と着替えた形跡が残ってて、ホッとしたの半分、ショックなの半分。
しげにやましいことがないなら、
しげからしたら、俺って突然不機嫌になってわけわからんヤツよな…。

謝る？普通通りに振る舞う？
迷いながら、付箋を手に取る。
人もまばらな昼休み、しげのデスクに向かった。

いつも通り、パソコンに半分隠そうと手を伸ばした時、デスクに無防備に置かれた携帯が光った。
なんてことなく目をやって、息を飲む。

“ヨリ戻すの、考えてくれた？”

やっぱり“元カノ”やったんや。

声をかけてくれた時のことを思い出す。

怒りはない。
裏切られたんや、ってわかってめっちゃ悲しいのに。意外と冷静でいられてる自分が不思議。
ここが職場でよかった。家だったら取り乱してたと思う。

付箋を握りつぶして自分のデスクに戻った。

さっきから、何回携帯が鳴ってるやろう。
電話もメールも受ける気にならなくて、待ち受けには、通知が並ぶ。
久しぶりの自分のベッド。なのに、全然落ち着かへん。

心はぐらぐら。
きっとしげの声を聞いたら簡単に寄りかかってしまうくらい不安定。
心を無にして電源を切って、久しぶりに布団に入った。