keep your doubt（JW赤×緑） (ページ32)

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月を眺めながら歩く帰り道。
しげと手を繋いで歩ける、俺の大好きな時間。
俺らの歩くペースに合わせて、しげの向こう側からスーパーの袋がカサカサ鳴る。
袋の中には、グラタンの材料と、アイスとビール。

「しげに最初声かけられた時は、めっちゃ怖かったわぁ」
「出会いとしては最悪よな。ようここまで来たわ。笑」
「第一印象最悪やったもん。けど、まさかしげもそうやったとか思いもせえへんかった。仲間に出会うことなんかなかなかないしな。やから、結果論やけど声かけてくれてよかったわ」

俺らのソレは、すごくデリケートな部分。
仲間に出会うことも、思いを伝えることも、ましてや思い合えることも奇跡なんちゃうかなって思うくらいに難しい。
やからこそ、俺は今まで諦めてきたわけやし

「しげ。俺、めっちゃ幸せ」
「ん、」

照れてもうたんか、無口なしげ。
気持ちを伝えたくて、握る手の力を強めた。

そしたらやっと目が合って、笑ってくれる。

ずっとこうやって、
しげと並んで歩いていたい。
笑い合うていたい。

胸を締め付ける幸せをしげにも移してやりたくなって。

「どしたん？」

急に立ち止まると、心配そうに覗き込んでくるから、作戦成功。

「すき」

下からすくうように口付けると、しげは顔を真っ赤にして、

「アホ、」

って呟いた。