また、二人で紡いで歩めたら (ページ5)

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続き、その2(少々ご注意くださいませ) ページ5

初めて……褥を共にしたのは、その夜。
寝台の中、甘えるように、どこか恥じらうように身を寄せる彼女と、深く口付けを交わした。
暖かなその温度に触れ、また触れられ、そこから、新しく熱が生まれた。
時折漏れる甘い吐息は、時計の針が進む度、熱を増す。

…Aが一際高い声をあげた瞬間、それまで必死に保っていた理性なるものの箍が、弾けた。

火照る頬、微かに震える指先、それはきっと私も同じ。
初めての経験、隣にいるのが君である事が、少し不安で、それでも、幸せで。
あぁ、沸々と湧き上がる熱情が、また容赦無く降り注ぐ。
気付けば私はその細い背に、きつく腕を回していた。
そうでもしなければ──この、私には些か強すぎるとも言えるシゲキに、身を任せて、腕の中の温度を、壊してしまいそうだったから。

──それはまるで、私の中の、私でない私が、私に対して鎌首をもたげるようで。
──彼女が眠りについた瞬間、怖くなった。

目覚めると、まだAは眠っていた。
白い掛布団から覗く首筋には、紅く、はっきりと、噛みついた跡が残っている。
彼女の白い柔肌を染める紅い花弁も、総て私が彼女に刻んだもの。
情動の赴くままに。

それが、怖くてたまらなかった。
あの感情は今も確固たるものだった。
これ以上触れたなら、次はきっと彼女を壊してしまうと思った。
私でない私が、私の頸を締め上げた。

それから、私は彼女を、避けるようになった。