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物心ついたときから俺の隣には彼女がいた。


「カルマ!おはよー!」


朝っぱらから妙に元気で明るくて。


「ねーねー、そこのコンビニで新しいスイーツ発売してたよ!」


何か見つけたら真っ先に俺のところまで来る。


「見てー、あそこに野良猫の親子がいる!」


……いつだって、ニコニコとしていた。



__そんなAが変わったは10歳の誕生日の時だった。


初めは頭をぶつけて脳がやられてるんじゃないの?とか思った。

けど、それにしてはどこか大人っぽく物静かになったと思う。

何か、俺や他の奴らが知らないことを知ってしまったかのような。


「Aちゃんは……どこにいるの?」


俺らのいる所じゃなくて、違うところで何かを見つめているかのような。

一体何を見ているのだろう。

……彼女に、何があったのだろう。

俺も知らない遠くを見る目は、何を映しているんだろう。


「俺にも教えてくれないこと?」


1人きりの部屋でポツリと呟いても、その思いは届かない。


"俺にも"なんて、図々しい。

中学に上がってからは会話もめっきり減った癖して。

お互いにそれぞれの世界を持ちながら、何故こんなにも執着するのか。

不良なんて言われる俺と、穏やかで気配り屋な彼女。

幼なじみでなければきっと話すことなんてなかっただろう。


もしかしたらもう二度と……腹を割って話すなんて、出来ないかもしれない。


……ああ、E組行きと停学になったこと、謝らないとなぁ。


もしかしたら口も聞いてくれないかもしれないけど。



「__暗殺……?」


ずっと家にいてゴロゴロとしていた時だった。


『担任を殺す』、なんて物騒な依頼が届いたのは。


「……殺せるんだ、先生を」


あの先生は勝手に死んだから、次はこの手で殺してやろう。

それが叶うなんて思ってもみなかった。

ドクリ、と鼓動が鳴り自分が興奮していることを自覚する。


「そうだ、Aちゃんに聞いてみよ」


俺が巻き込んでしまった彼女に謝るついでに聞いてみようじゃないか。

上手く話せるかは分からないけど。


『……もしもし?』


__ああ良かった。変わらない声だ。



「……Aちゃん、あの話聞いた?」


__その返答は、あまりにも静かだった。


「……そっち行っていい?
ダメって言われても行くけど」


「……わかった、待ってる」


やはり彼女は何か知ってる……?

それを確かめる為にも、直接会いたい。


__ただ顔を見たい、そんな気持ちを隠して。

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設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業 , 赤羽カルマ   
作品ジャンル:恋愛
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とある女の子(プロフ) - 続きの展開が気になりまくりです!!またいつかの更新楽しみにしてます♪ (2020年9月24日 23時) (レス) id: 2532dffcac (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すっごく面白かったです!夢主とカルマ君の関係、大好きです!これからも応援しています! (2020年8月5日 11時) (レス) id: e77f932360 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:meer | 作成日時:2020年6月15日 22時

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