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「怖くなかったのは本当だよ。何か原因があったとかじゃなくて、
……絶対、来てくれるだろうなって思ってたから」
何も考えられずに、考える前にペラペラと話し出してしまう。
「本当にそれだけで……怖くなかった」
「Aちゃ……っああもう」
思わず、といった感じでこちらに振り返りまたそっぽを向いてしまう。
一瞬見えた顔は赤く染まっていた。
……気のせいじゃない。
だって後ろ姿から見ても耳が赤い。
＿＿その反応に私も照れくさくなってしまって、最寄り駅に着くまではずっと無言だった。
「……そういえばさ」
先に無言に耐えかねたのは私だった。
「今週、そこのコンビニで新発売のスイーツが出るって」
「……ははっ」
キョトンとした顔と少しの沈黙の後、笑い声が響く。
「何で笑うの！？」
「だってさ〜、新発売だよ！ってAちゃん毎回俺に言うんだもん」
あ〜面白い、なんてカルマは腹を抱える。
「そ、そんな笑わなくてもいーでしょ！」
何度抗議してもしばらく笑いっぱなしで、収まる時にはもう家の前だった。
「あ〜笑った
ごめんね、Aちゃん」
あまりにも楽しそうだから、明日彼が何をするとか全部忘れてしまっていた。
あるいはずっと昔に戻ったみたいに笑えていたことが嬉しかったのかもしれない。
「ねえ、」
だから、少し気は緩んでいたと思う。
「良かったらだけどさ、また……ご飯食べに来てよ
一人で食べてても味気無いし、もっとゆっくり話したい」
昔もよく行き来してたし、同じようにさ。とそう小さく付け足す。
「＿＿Aちゃん、本当にそう思ってる？」
「……え？」
「本当に、前みたいに？
……今までと同じだと思ってる？」
何言ってるの、とその言葉は口から発せられることは無かった。
＿＿柔らかい物が唇に押し当たる。
そんなありきたりな表現が頭をよぎった。
声を出すことはおろか、息を吐くことすら躊躇する。
一瞬触れただけだったはずのに、永遠に続くんじゃないかというほど長く感じられた。
パッと唇が離れるも、話してた時よりだいぶ近い距離で、少し手が触れる。
何で今まで気づかなかったのか、いつの間にかすっかり開いた身長差で見上げる形になる。
＿＿知らない、こんな顔。
「……ごめんね。でも気をつけなよ？
＿＿A」
前と違う呼び方と表情と……
「じゃ、また明日」
私はしばらくそこから動くことが出来なかった。
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とある女の子(プロフ) - 続きの展開が気になりまくりです！！またいつかの更新楽しみにしてます♪ (2020年9月24日 23時) (
レス) id: 2532dffcac (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すっごく面白かったです！夢主とカルマ君の関係、大好きです！これからも応援しています！ (2020年8月5日 11時) (レス) id: e77f932360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meer | 作成日時：2020年6月15日 22時
