case.43 ページ44
Aは人気のない路地裏のブロック塀に寄りかかって、震えるポケットのスマホに目を向けた。
…コナンくんも逃がしたか。
とはいえ、今回の依頼の目的は宝石を守ること。キッドを捕まえるのは目的ではない。
宝石は返してもらえたみたいだし、戻るかと踵を返しかけた時だった。
人の気配がして振り向けば、上から下まで真っ白な男が立っていた。
「お嬢さん、こんな時間にこんなところに居ては危ないですよ。」
あっ、これ、無理だわ。
イケメン嫌いのAは、月明かりに照らされるその顔とキザな口振りに思わず嫌悪感を顕にしそうになり、耐えた。
「ふふ…貴女が"強力な助っ人"、ですか？」
『何の事だかよく存じ上げませんが、用がないなら帰ってよろしいですか？こちらの目的は達成しましたので〜。』
にこり、と。
冷ややかな笑みを浮かべながら吐き捨てたAに、キッドはゆっくりと近づく。
「おや、つれないですねぇ…私は私をここまで追い詰めた貴女にお会いしたくて仕方がなかったというのに。…十分麗しく美しいレディだ。」
Aの手を取り、手の甲に口付けを落とした怪盗に、何だこのキザ野郎と彼女の表情が崩れた。
『あ〜、はいはい、そういうのいいんで。…ﾁｯ、これだからイケメンは…』
「クス…照れていらっしゃるのですね。可愛らしい。」
そう言って頬を撫でた彼の手を払うこともなく、けれども彼の瞳をしっかりと見据えて、Aは口を開いた。
『怪盗キッド。正体は黒羽快斗。17歳、江古田高校2年生。身長174�僉�体重58�圈�血液型はB型。誕生日は6月21日のふたご座。IQ400、視力両目ともに2.0。運動神経は優れてるものの、肉弾戦は不得手、アイススケートも不得手、と…。』
突如自身の個人情報をつらつらと語り出した彼女に、キッドは驚きに目を丸くした。
「成る程…これは厄介。」
『ということで個人情報をバラされたくなかったら私に関わらないでね、黒羽快斗くん。ついでに、貴方が怪盗やっている理由も知ってるけど、私は貴方に興味ないし、怪盗キッドにも興味ない。民間人に危害は加えてないみたいだし君を捕まえるのは今回の依頼内容じゃないしそもそも警察の仕事だし？私はただの一般人なんでそこんとこよろしく〜。』
「…あんたは、パンドラの在処を知ってるか？」
その問いには答えることなく、静かに微笑みながらAはその場を後にした。
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trr - 続編待ってます！！！！ (2018年12月10日 5時) (
レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました！(´･ω･)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なｯｯｯｯ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！ (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲空 | 作成日時：2018年5月17日 1時
