case.44 ページ45
翌日の紙面には次郎吉さんがダブルピースしてでかでかと載っていた。
あの人、人の手柄を自分のものにしてるけどそれでいいのか。
仕事は果たしたし、興味ないし、目立ちたくないから私は全然いいんだけど。
新聞を机上に放り投げて時計を見た。
時計の針は丁度8時を指していた。
『お腹空いた』
というわけでポアロに行くことにした。
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「あれっ、Aお姉さんだ〜!昨日ぶりだね!」
…いや、何でいるんだよ。
Aは眉をひくつかせた。
『今日平日じゃなかったっけ』
「今日は学校が創立記念日で休みなんだ。」
『はぁ…羨ましいことで。しかし早起きだね〜、小学生。』
店の奥の壁際、其処がAの定位置で、何時もの様にそこに腰掛ければ、小学生の彼も向かいへ座った。
「ねぇ、Aさん。今朝の新聞見た?」
『怪盗キッドのでしょ。残念だったねぇ、怪盗さんにみすみす逃げられちゃって。キッドキラーさん?』
「コナンくん、あの場にいたのかい?」
声のした方に視線を向ければ、オレンジジュースを手にした安室透がいた。
はい、出た、イケメン。
「ああ…まぁね。Aさんの言うとおり動いたんだけど逃げられちゃって。」
「Aさんも彼処に?キッドに会ったんですか?」
顔が"僕の連絡には出ないのにコナンくんやキッドには会ってるのか"って言ってる。
『依頼ですよ。珈琲とハムサンド。』
そういえば、一日に何度も掛かってくる着信も、無視し続けてたら30件近くになってたな、とふと思う。何のようですかね。イケメンが。私に。
「Aさん、やっぱりキッドに会ったんだ。」
Aは、その言葉に核心を突かれて思わず眉間に皺を寄せた。
この小学生、とことん鋭い。
『君が宝石を取り返したから帰ろうと思ったら遭遇した。手の甲にキスしてきたから個人情報を盾に脅し…交渉して切り抜けたよ。』
「色々とツッコみたいところはあるけど、今脅したって言い掛けたよね。」
『気の所為』
じとりとしたコナンの視線から逃れる様に目を逸らしたAの瞳は、未だにその場にいた安室へと向いた。
『うわっ、まだいたんですか?』
「ああ、すみません。ハムサンドと珈琲でしたね。直ぐお持ちします。それから…」
にこりとした笑みを瞬時に貼りつけて、安室はAの耳へと口を寄せた。
「その話…後で詳しく聞かせて貰いますよ。」
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時