情報屋Nの受難【名探偵コナン】

case.30 ページ31

Aは、サッカーボールを追いかけるコナンをじっと見つめた。


APTX4869は稀に、服用した人物の体を縮ませる作用が働く場合がある。


その結果幼児化したのが工藤新一と宮野志保。


江戸川コナンと灰原哀だ。



幼児化する前の工藤新一は世間では有名な探偵で、大人顔負けの頭脳を持っていた。
また、サッカーが得意であったらしい。


それを鑑みてもあの毒薬で体が縮んだ場合、どうやら作用が働くのは見た目だけで内部に影響は無いようだ。


それは彼らが生きていることでそれを証明している。


しかし、毒薬を飲んで生き残るとは悪運が強いのか何なのか…。



「やったー、4点目！コナンくん、すごーい！」



「なんかズリーぞ、お前…」



利き脚ではない方で蹴る、4対2というハンデを抱えているにも関わらず、ゴールを決めまくるコナンに、灰原、元太、光彦が不満を零す。



両足も頭も使えないサッカーとは。




「っていうかAさんももうちょっと動いてくださいよ〜！」




そして、その不満の矛先はAに向いた。





『はは、おねーさんサッカー苦手なんだよね。』




そう零しつつ、溢れたボールを操って元太くんへとパスした。



「あっ、汚ぇ！」



喚きつつ追いかけるコナン。
スポーツには時に頭脳戦が肝要なのである。



元太がパスしたボールは光彦にわたり、光彦から灰原へと渡った。



しかし、シュートの瞬間、灰原が空振りをして尻餅をついた。



「ニャー」



猫が侵入してきたのだ。



「猫ですか…」



「大尉じゃねーか！」



コナン曰く、毛利探偵事務所のある5丁目あたりを根城にしている野良猫らしい。

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