拐って仕舞って閉じ込めて。『d!』 (ページ14)

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Episode13 ページ14

結局、あ、ごめん。と言われてパーカーとズボンを頂いた。
パーカーは買った本人もデカいんじゃないかってくらいの大きさで肩はヨレヨレだったけど膝上15センチくらいまでは隠してくれるサイズ感であったわ、ワイシャツよりは下着のギリギリ感がないのでなんとなく一安心。
ズボンはまぁ…落ちるから諦めた。

リビングへ行くと鬱先生が用意していたようでDVDのチャプター画面がテレビに映っていた。

さてと、ニュースを観てやるか。と意気込みリモコンを操作して地上波を映した……はずだった。

ガアアーっと砂嵐。
ああ、私が触る前に設定とか弄ってたわけですね。

チャンネルを回しても砂嵐のままであった、砂嵐の音量が結構大きくて仕事部屋？みたいなところに聞こえないか不安であったが気づかれてないような気がする。いや、気づかれていませんように。

仕方ないのでDVDに入力切替やらなんやらして戻してスタートさせた。

スタートからビビらせてくるタイプのホラー映画であった。
めっちゃ怖い。
ド定番のゾンビ物なのだが次々と襲ってくる感じで結構それが苦手。
ゾンビの唸り声とか結構怖い。

中盤まで進み怖い怖いと言いながらも惹き込まれるように観ていた。

女の人が懐中電灯で辺りを照らしながら歩く。
と、その時……

｢ぎゃっ？！｣

肩を掴まれた。

｢Aさん、びっくりした？｣

お前かい！と言いたくなる展開である。

画面の中の女の人は結局仲間と合流出来た。

私は誘拐犯と合流。

｢めっちゃびっくりしました。｣

｢ごめんごめん。｣

いつもの笑顔じゃなくていたずらっ子のニヤニヤ顔だった。

……ちょっと腹立つ。

｢今どうなってん？｣

｢え、あ、今女の人が金髪の男の人と別れた後です。で、仲間と合流しました。｣

｢あー、その人かぁ。その人実は既にゾンビやで。｣

｢マジですか？！え、てかなんでネタバレしちゃうんですか？！酷い！｣

｢なんか横で見てて面白くって｣

｢そうやってニヤニヤするのやめてください！｣

ニヤニヤどころか笑い声を微かに漏らしてるあたり気に食わない。
私が怖がってんのがそんなに面白いのかっての。