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『アラサーの女がなーんにも
思ってない男と無駄に一緒に居る訳ないじゃん』







『ずっと好きだったからだよ
湊の事が高校の時からずっと好きだった


それ以上の理由なんて無い』





じゃあ、昔から俺の傍におったのは





あぁそういうことか



「そっか、俺……」


『何も言わないでよ
聞きたくない』



そう言って上着と荷物を持ち始めるAを
どうにかして引き止めないと、そう思った




「俺の話聞けや」



もっと優しく言われへんのか俺は




「正直言えば、全く気付かんかった
申し訳ないと思う

でも高校の時からAとおるの
楽しいし落ち着く、これはほんまやから
俺の事信じて欲しい

なんで俺と一緒におるんか気になったのも
お互いいい年になってきてるから
Aの時間を無駄にしたらあかんって思ったから」




「Aがいいならずっと一緒におって欲しい」





俺の帰る場所になって







『…湊のそういうところが好きなんだよ』


泣きそうになるAを俺は抱き締めた

一緒にいはじめてからずっと一緒だったのに
Aの髪から俺のシャンプーの匂いがするのが
急に愛おしくなった


高校の時も一緒に買ったキーホルダーを
すぐケータイに付けてたり
欲しいって言うから買ったった髪留めを
次の日喜んで付けてたの見て
可愛いなコイツって思ったこともあったっけ



「やっぱ口に出さなあかんねやな
付き合おか、俺ら」


『うん、湊と付き合いたい
……やっと言えた
ずっと言いたかった』


「うん、ごめんな
俺ホンマにわからずややから
これからも愛想つかさんと一緒におって」




『…うんっ








ねぇ湊、言い難いんだけどさ』


「?」


『キムチ鍋もう冷めてるから
あっため直していい?』


「だーめ
まだ抱き締められとって」


Aが作ったやつなら冷めてても
美味しいんやからって言えば
腕の中でジタバタ暴れるA
湯気1つもたってないキムチ鍋を見て笑いが溢れた

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作者名:桜和 | 作成日時:2022年11月26日 3時

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